Instagramが生み出す、女性の「妄想消費」とは
トレンダーズの調査によると、女性の86%が「Instagramを見て商品が欲しくなったことがある」と回答し、その内71%が「実際に商品を購入した」と回答しています。Instagramが生み出す消費行動は、いわゆる「AIDMA」「AISAS」といわれるような、認知から比較検討を重ねるのではなく、直観的にビジュアルにココロを動かされ、その消費の先にある豊かなライフスタイルまでも妄想するのです。
そういったビジュアルから膨らんだ妄想によって消費する行動を、弊社では「妄想消費」と呼んでおり、今の女性の消費行動を語る上で非常に重要な要素だと位置づけています。

さらにこれを上記図の購買欲求ファネルに置き換えると、Instagramで「認知」した商品を、「妄想」というフィルタにより「理解」「検討」を飛び越えて「欲求」「購入」へと繋がるという、従来のファネルのパラダイムシフトが起きているのです。
実際にトレンダーズが行った調査によると、インターネットメディアを読んで衝動買いをした人が52%に対してInstagramで衝動買いをした人は61%という結果が出ています。Instagramのビジュアルが生む「妄想力」は女性の購買行動に対して大きな影響を与えていることがわかります。
潜在ニーズ・顕在ニーズともに働きかけるInstagram
このように女性マーケティングにおけるInstagramの最大の魅力であり特徴は、「妄想消費」により女性の「潜在ニーズ」へ働きかけることができる、という点にあります。一方で、ハッシュタグ(#)検索における「顕在ニーズ」への効果も忘れてはいけません。
そもそもユーザーの購買欲求ファネルを「検討」から「欲求」「購入」へと導くためには、「検索結果」に購入を後押しするような情報が網羅されていることが必要です。「検索」とは、以前はGoogleやYahoo! JAPANなどの検索エンジンを利用する行為を指していましたが、今ではInstagramでの「ハッシュタグ(#)検索」も重要な役割を担っています。トレンダーズが2016年5月に実施したインターネット調査によると、既に20代女性(300名)の16%が「Instagramを検索に利用している」と回答しています。
たとえば、Instagramで人気に火が付いたとされている、鋳鉄製のフライパン「スキレット」。Instagramで「#スキレット」と検索すると、11万件を超える投稿が上がってきます(2017年1月時点)。テキスト情報が中心のGoogle、Yahoo! JAPANの検索結果とは異なり、そこに繰り広げられているのは「スキレット」を活用した様々な料理とテーブルコーディネートの画像です(下画像はイメージ)。

これらを目にすることで、検索したユーザーは商品の利用シーンを一瞬でイメージすることができ、“直感的”に「検討」ファネルから「欲求」「購入」ファネルへと導かれていくのです。