店頭での直接効果が図れる位置情報活用とは
MZ:現在行っている位置情報の施策について教えてください。
北見:商業施設の周辺にいる方に対し、弊社の商品を取り扱っていることを伝える広告を配信しました。さまざまなコミュニケーションを行っていく中で、来客へ最後の一押しをかける目的でした。
具体的には、二つ施策を行っていて、一つは弊社商品が取り上げられたサイトに訪問しているかつ対象の商業施設周辺に来ている方に広告を出すパターン。このパターンは成功して、店舗の購買者にアンケートを取った結果、Webを見てきたと回答する方が増えていました。
もう一つのパターンでは、交通広告を出している地域に対しての配信を行ったのですが、これは私たちのプランニングが失敗だったと思っています。というのも、位置情報を活用したネット広告と、交通広告のどちらが効果的だったかがわからなかったためです。もしかすると位置情報でセグメントしなくても同じレベルの効果が出た可能性もあったので。
MZ:今回のケースだと、来客直前に近い方の最後の一押しには効いたということでしょうか。
北見:プランニング次第なところはありますが、位置情報の活用は来客と購買に寄与しやすいと思っています。これまでの広告だと、直接的に効果があったと言い切るのは難しかったのですが、商業施設の周辺にいる方に広告配信をして、実際に購買のきっかけを創出していることが明らかになります。位置情報を活用すれば、店頭での直接効果を証明することができるということがわかりました。
位置情報×クリエイティブの最適解は?
湊:位置情報を活用した広告配信を行う際、クリエイティブにおいて重要な点はなんだと思いますか。

北見:我々のような店舗を持つ企業の場合は、お客様に店舗を探してもらえるようにすることですね。商品に興味のある方が、広告を見てほしいと思って、そこから店舗情報を調べたら近くにあった、というストーリーを描けたらいいなと思います。
MZ:前回記事では強烈なフック、たとえば有名人を呼ぶ、商品をプレゼントするといったことも有効だという話になったのですが、いかがですか。
北見:位置情報によるセグメントの配信ボリューム次第ですね。ボリュームが少ない中で、強烈なフックを用意して広告を配信しても、フックを用意するのにかかったコストに見合わない可能性が出てきてしまう。どれくらいの人に見られるのか、その上でどういったクリエイティブを用意し、配信の手法を考えるのはどの広告でも一緒だと思います。