キーワードは「共感」
続けて張氏は、SNS運用において重視している同社のルールについて述べた。
張氏にとってSNSは、同社が持つあらゆるタッチポイントのなかで役割を明確化して運用するものだという。SNSにおいては会員とのコミュニケーションを重視し、反対に他のタッチポイントである店頭やメルマガではポイント自体の訴求をしていくという役割分担をしている。
象徴的なのが「バッファローズポンタ」での取り組みだ。ここでは一切、Pontaポイントの話をすることはないという。「試合に負けて愛されるキャラクター」を醸成し、その都度試合内容によって絵柄を変える。配信後はフォロワーの反応にその都度対応する。これらの積み重ねで、インフルエンサーとして人気を得たのだという。
同社が大事にするのが、「共感するもの以外は投稿しない」というルールである。ポイントサービスとして目指す像は、身近にある、ステータスの高くないブランドだ。ひとつひとつの感情を前面に押し出したキャラクターを作ることで、共感を生み出す。これは押し付けではない共感を得るSNS運用方法であると張氏は述べた。
この「共感」というキーワードに反応したのがMEGWIN氏だ。動画制作においても今最も重視されているのが「共感」であるという。共感されるようなコンテンツでなければ、そもそも相手にされない状況となっている。

また、MEGWIN氏は動画制作をスタートした2005年から、環境が大きく変わってきていると指摘。当時はプレーヤーがおらず、競争相手が少ない状況だった。その時代から比べると、現在は競争が激しくなっていると体感を述べた。2005年当時の個人ブログ全盛期と比べ、企業運営のブログが中心になったことも大きな変化のポイントだ。
そういった状況の中でも動画制作でヒットを生む鉄則は変わらない。それは「新しいことを一番早くやる」ことだという。海外や日本で流行ったトピックがあればすぐに取り入れ、真似する。これは早ければ早いほど反応があるという。
しかし、世間の流行を追うことは個人YouTuberの情報網では限界があり、情報をもっている企業に分がある。そうなれば、発信の主体になるのは自然と企業が中心になっていく、というのだ。
「近い将来、個人YouTuberの淘汰が起こるのでは?」とMEGWIN氏は予測する。
