若年層に、どうアプローチするか?
最初にモデレーターの押久保から、若年層向けのアプローチについて課題提示がなされたのち、パネリスト両名の自己紹介に入った。
まずは、ロイヤリティ マーケティング張素芸氏だ。同社は共通ポイントサービス「Ponta(ポンタ)」を運営しており、その中で張氏は2008年からPontaのブランドの全体の統括を行っている。Ponta事業は2010年3月にスタートしており、7周年を迎えた。
現在は会員数8,000万人、提携企業数104社、157ブランドとの提携を実現している。ブランドの展開として、サービスキャラクター「ポンタ」をシンボルマークとしていることで知られており、「すべての会員への接触へのタッチポイントとしてポンタを活用している」と張氏は語る。
続いてはMEGWIN TV代表のMEGWIN氏だ。MEGWIN氏は12年間にもわたってYouTube動画を毎日アップロードし続けている、世界でも最長のYouTuberとして知られる。登録者数80万人、総再生6億回という実績を持ち、様々な業種とコラボレーションをしながら、SNS動画に関するコンサル等も行なっている。
自己紹介が終わったあとで、再度モデレーターの押久保から、若年層向けのアプローチについて質問がなされた。問題点としては、既存のメディアで届かない層に関して、いかにリーチしていくかだ。
最初に答えたのは張氏だ。ロイヤリティ マーケティング社はPontaブランドにおいて二つのSNSを運用している。まず、7年前のサービススタート時から運用しているのが、共通ポイントPontaの公式SNSだ。続いて2016年、ここに加えたのが、スポンサードするオリックスバッファローズとのコラボレーションで生まれた「バッファローズポンタ」である。
日々のコンテンツの制作における留意点として張氏が挙げたのが、「得はしたいけれども、拡散はしたくない」というユーザー心理だ。
共通ポイントPontaはポイントサービスであり、購入すればポイントが付与される明確なメリットを持つサービスであるが、顧客目線に立った場合、得である事実そのものを拡散するのには抵抗があるとされる。
この抵抗感を軽視せず、ポイントサービスそのものをひたすら訴求するのではなく、会員とのコミュニケーションを中心とし、“親しみやすさ”の醸成を優先事項に据えた。人気が高いキャラクター「ポンタ」の自然な面白さを見せていくことを重視している。