リアルタイムな予実管理とゴール到達者分析がもたらすメリット
シャノンが提唱する「ゴールドリブンマーケティング」とは、経営層・ミドルマネージャー層・現場が誤差なく状況を共有することを目指すものだ。その実践を可能にするために、SHANON MARKETING PLATFORMには「ゴール機能」が搭載されている、と中村氏は語る。
ゴール機能を使うと、具体的にはKPIに基づくリアルタイムな予算実績管理とゴール到達者分析が実施できる。リアルタイムな予算実績管理ができると、どのようなメリットがあるのだろうか。
「変化が激しい時代に月次でのPDCAサイクルでは遅すぎます。たとえば、月単位でデータを見る際に、1ヵ月経過してから前月のレポートを作成しても、未達事項が確認できるだけでリカバリは次月以降に持ち越しですよね。一方、リアルタイムに管理すれば、予測レポートを随時確認して、月内に未達事項を把握してリカバリすることが可能です」(中村氏)
ゴール到達者分析のメリットも大きい。ゴール到達者と全体を比較することで、どのマーケティング施策が有効だったかを分析することができるのだ。例えば、「商談化したリード」と「全リード」のトラッキング履歴を比較することで、ゴール到達者がどのコンテンツを見ていたのか、傾向を探ることが可能だ。
「商談に至ったリードは“顧客行動履歴”というコンテンツをよく見ているのに対し、全リードではそれほど見ていない、といった傾向がわかる。そこで、商談数を増やすにはリードにこのコンテンツを読んでもらうとよい、という次なる施策の方針が見えてきます」(中村氏)
ゴール起点で課題を整理し、施策を最適化せよ
以上のように、ゴールを起点として課題を整理し施策を最適化する方法を実践すると、経営層・ミドルマネージャー層・現場という各レイヤーでKGIに基づくKPIを共有しやすくなる。組織内の縦の階層間に生じがちなズレが低減し、自社のマーケティング全体に対して共通認識が生まれる。
中村氏は実際にゴールドリブンマーケティングを採り入れ成功した事例として、ゴール機能を活かして訪問数が3.3倍、案件数は3.6倍にまで増加したという大手インテグレーション企業の取り組みを紹介する。その企業は、展示会、ネット広告をはじめとしたWeb施策と並行して、セールスマンによる名刺交換も多数敢行していたが、それらの情報集約ができていなかった。
「そこで、商談数増加というゴールを設定して、ゴールの逆算からPDCAを実施しました。見込み顧客の一元管理を進めて、Webでの行動履歴をもとに、興味の度合いと行動の中身、検討タイミングなどでセグメント化。各セグメントに合ったメールを送信し、MAによるスコアリングで業種などを参考にリードに優先順位を付け、商談化する流れを作り出しました」(中村氏)
多数の事例と取り組む中で、業種や業態によって対策の詳細は変わるにせよ、ゴール起点で課題整理を行ったアプローチなら、現状より成果が向上することは間違いない、という手ごたえを感じているという中村氏。今後もテクノロジーとサイエンスによって企業とマーケターの課題解決をサポートしていきたい、と語り、講演をしめくくった。