動画広告プラットフォームはユーザーフレンドリーであるべし
元々ユーザー側の多くは、広告への嫌悪感を持ちがちだ。過去に味わってきた、決して良質とは言えない広告体験への拒否の声が昨今のアドブロッカー利用者の急増につながっている。そしてそれらを助長してきたのがユーザー目線を無視した強制的に視聴させることを目的として配信された昨今の広告仕様なのだ。
ピエール氏は、「成功する広告とは、ユーザーに寛容されるべきもの」と強調する。
「TeadsのDNAは、ユーザーフレンドリーであることを最も重視しています。ですので、享受したいコンテンツの前に強制的に配信されるフォーマットなどでは、たとえ見られていたとしても効果が発揮されないと考えています。
ユーザーには常に選択権を与えるべきなのです。関心あるユーザーのみが広告に接触して初めて受け入れられるということが、我々の調査からもはっきりしています(参考情報)。インリード広告であれば、記事内に出てきて、興味がなければスルーするだけ、枠も簡単に消せます」(ピエール氏)
Teadsの支持が広がる理由は、徹底したユーザー目線とともに、広告主と媒体社それぞれにとって配信メリットがあるためだ。
「Teadsは、ブランドセーフティが徹底されたプレミアム在庫と人間が視聴したリアルな広告効果を広告主に提供します。媒体社は、これまで得られていなかった動画広告の収益源を得るでしょう。そしてエンドユーザーは、いつでも広告がスキップ可能で、閲覧する・しないを選択でき興味をもったユーザーのみが視聴できることになります。常に三者のトライアングルを意識した動画広告ビジネスの最適化、健全化が我々の使命です」(今村氏)
動画広告配信に求められる「質」とは
最後にピエール氏へメッセージを求めたところ、「質が大事」というシンプルな一言が返ってきた。その真意について、今村氏が補足した。
「質とは、プレミアムな媒体という意味でも、安全の確保という意味でも、レポートから読み取れる数字でもあり、様々な局面に関わってきます。広告主、広告代理店と向き合うビジネスでは、どの側面においても“質”こそが最も求められる。質という土台に則った量(スケール)を提供できることが重要です。
Teadsはグローバルではもちろんの事、国内市場においてもこの2つを満たしています。国内大手ナショナルクライアント様からはYouTube、 Facebookではリーチすることができないユーザーに到達できるとご好評いただいています」(今村氏)
FacebookやTwitterなどCGMがベースとなったプラットフォームは、プレロール広告と同様の問題を抱えている。暴力の実況動画が投稿される事件も後を絶たない。つまり、ユーザー側が(ある程度)自由に振る舞う空間として成立しているからこそ、予測できないコンテンツへの対応が困難だ。
配信にあたって、質を追求しながら量も担保する認識は、国内外のデジタル広告事情など関係なく、動画広告や広告全般でますます不可逆な流れである。その流れに沿いながら、ユーザー目線でのフォーマットや画質、動画プレイヤーの挙動も考慮されるべきなのだ。
これらの課題にセンシティブに対応してきたTeadsのような配信プラットフォームが、今後どれほど台頭してくるか。配信の趨勢を見極める上でも要注目だ。