プロダクトの本質を伝え続けること
菅野:そしてついにリリース日を迎え、出た瞬間からものすごいことになったわけですが、PR的な観点でメディア露出を最大化するために何かやったことはありますか?
須賀:露出量に関しては想像を超えるものでしたので、PRとしての課題は我々が本当にやりたいことや世界観をどう世の中に正確に伝えていくかということでした。
菅野:2016年の夏には、宮城県などの被災地や京都府とのコラボレーションもされていましたよね?
須賀:はい。とは言ってもポッと出でいきなりやったわけではなくて、『Ingress』の時代から、世の中の何かの役に立ちたいというのはナイアンティックの全員が純粋に思っていることです。
ですから岩手、宮城、福島、熊本といった場所とは、元々協力的に話を進めていたという背景がありました。それであの時、宮城県さんからお声がけをいただいて、我々としても人々に新しいものに触れてもらいたいという思いから、提携の発表をさせていただいたんです。
菅野:被災地とのコラボレーションイベントでは、どんなことが印象に残っていますか?
須賀:11月にラプラスが出現しやすくなるというイベントを行ったときの石巻の靴屋さんの話はとても嬉しかったですね。その靴屋さんは、ある日突然店の前をたくさんの人が通るようになって、調べてみたら『ポケモン GO』で来ている人たちだとわかった。
最初は軽く迷惑だな、くらいに思ったらしいんです。人がたくさん来てるけど、自分の店には誰も入っていないと。でもそれをビジネスチャンスだと思い直していただいて、ポスターを作って店の前で声がけをして、通りかかる人たちに石巻のおいしい食べ物なんかを紹介した。
その結果、店の中にもたくさんの人が入ってイベントの最中に靴20万円を売り上げたということです。やはり人がそこにいるということは非常に大きなビジネスチャンスなんですよね。マーケティング業界でも、人をそこにフィジカルに連れて行くことは非常に難しいと言われていますが、ナイアンティックはそれを実現することができているかと思います。



