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イベントレポート

プロトタイプを囲んで来場者間の議論が自然発生! テックの祭典の魅力とは【SXSW2017レポート】

トレードショーは来場者とのディスカッションに格好の場

 今回のSXSWにおいてWHITEは、ワコムと共同で開発した「ペンでVR空間に描画できるソフトウェア」のコンセプトモデルとなる「Ink Visualizer for VR」をトレードショーで展示してきました。せっかくなので、実際の参加者として肌で感じたトレードショーの魅力もお伝えしたいと思います。

 ワコムはクリエイティブ向けペンタブレット市場で世界シェア9割の会社。映画やアニメ、マンガなどの分野で世界中のアマチュアから最高峰のプロフェッショナルまでが利用する、ペンタブレットおよび液晶ペンタブレットを製造しています。「Ink Visualizer for VR」は、同社のペンタブレットの新しい可能性を開拓するための試みとして開発されました。

 今回のデモンストレーションでは、参加者が紙にペンで好きな絵を描くことで、自分だけの「オリジナル惑星」を作り、VR空間上に浮かばせて遊ぶことができるというワークショップを行いました。

 参加者がワコム製ペンタブレットを使って、球体の展開図に「雲」や「オーロラ」など好きな絵を描くと、その絵が球体(惑星)の周りにデザインされ3DCGとしてVR空間上に浮かび上がります。WHITE製の操作機能のあるスマホVRゴーグル「MilboxTouch」を利用すれば、VR空間上の惑星を動かすことも可能です。

紙に描画したストロークがVR空間上に展開される
紙に描画したストロークがVR空間上に展開される

 展示ブースには、4日間で約200名の方が来場しました。朝の10時から夜の18時まで、とにかくひっきりなしに人が訪れ、体験者からはさまざまな反応が返ってきました。

 意外だったのが、「Ink Visualizer for VR」へのデザイン関係者の反応。なかでも服飾デザイナーの方たちの反応が非常に良かったです。服飾デザインの世界は未だに手描きが多く、特にデザイン段階でのスケッチは主に平面で行うとのこと。しかし、洋服の最終形は立体なので、デザイナーの頭のなかにある三次元イメージを第三者に伝える方法として興味を持ってくれたようです。

 そのほか、記入するワークシートをカスタマイズして子ども向けのワークショップとして開催できないかなど、教育関係者から声がかかることも多かったです。

 多くの展示会と違い、製品のプロトタイプや製品化前の思想・構想を示すデモンストレーションが多く並ぶSXSWのトレードショーは、世界中から集まったエンジニアやクリエイターなどとの格好のディスカッションの場とも言えます。プロトタイプの発展性について、ポテンシャルも含めてさまざまな人からさまざまな意見が得られることが、トレードショーの最大の魅力です。

 私たちのブースでのディスカッションを通して見えてきたのが、前述の通り、服飾デザイン業界での可能性。これまでは、VR上に描いた絵を共有したり、複数人が同時にアクセスして同時にドローイングを“楽しむ”用途を想定していただけに、新たな発展性や市場性を感じることができたのは大きな収穫でした。

 また、今回のSXSWの特徴としては、近年になく日本からの来場者が多かったことがあげられます。当社のブースに訪れる人も3割程度が日本人でした。ソニーやパナソニック、資生堂などの大企業がこのトレードショーをマーケティングの場と位置づけ、会場外にパビリオンを設けて大々的に出展を始めたのも印象的でした。こうした大企業による出展実績は、来年以降、そのほかの日本企業の出展も後押ししていくのではないでしょうか。

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新しいもの好きが集まって、ワイワイ楽しむ祭典としての魅力を満喫

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この記事の著者

細谷 宏昌(ホソタニ ヒロマサ)

WHITE プランナー テクニカルディレクター
1985年生まれ。東京芸術大学大学院映像研究科メディア映像専攻修了後、2011年に大手ディスプレイ会社に入社。プランナーとして空間全体のコンセプトメイク・プランニングから、デジタルコンテンツ、インタラクティブインスタレーションの企画・ディレクション業務に従事。2015年...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2017/04/28 08:00 https://markezine.jp/article/detail/26435

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