マーケターは、コンテンツだけに集中できる
集客からアフターサービスにいたるまで、人工知能がフルサポートしてくれるという仕組みは、企業にとって非常に心強い。しかし、これほどまでに企業のマーケティング活動が変わるとなると、その運用にあたっては慎重になってしまう企業もあるのではないだろうか。セッションを終えた後、オラクルのCXエヴァンジェリストであるデ・カーヒル氏が質問に応じてくれた。

まずは、企業データの取り扱いに対する疑問だ。AIAの強みの一つに、その第三者データの活用があるが、「自社のデータを他社企業にみられたくない」という企業もあるのではないだろうか。
「このシステムでは、各アプリケーション上でAIAが第一者データと第三者データを活用し、その結果を自動で提供していく形となります。そのため、各ユーザー企業の方々がサードパーティデータを取り扱うというわけではなく、自社データを他社に見られる、といったことは起こりません」(デ・カーヒル氏、以下同)
各データの分析はすべて人工知能がシステム上で行うため、ユーザー企業が分析をする必要がない、ということだ。各企業のユーザーは、AIAの出した判断を参考にしつつ、それぞれマーケット施策やサービスの方針を決める必要がある。
すべてのマーケティング施策をAIA for CXが支援するとなると、マーケターの仕事がなくなるのではないか、という素朴な疑問も挙がってきそうだ。AIA for CXを導入することによって、マーケターはどのような仕事をするべきなのだろうか。AIA for CXを活用するためには、新たなスキルは必要となってくるのだろうか。
「AIA for CXユーザーのマーケターの方々は、新たなスキルを必要としません。データ分析すら必要としません。サードパーティデータを活用できるということは、小規模な企業でも大企業並みのデータ活用が可能で、かつ、膨大なデータを分析するシステムを構築する必要もない、ということです。つまり、ユーザー企業のマーケターの方は、各商品の質を高めることと、それを訴求するコンテンツ作りに集中することができるようになるのです」
これまで、マーケティングにおけるデータ活用が非常に注目されていたが、オラクルのAIA for CXは、その大部分を人工知能で自動化するというソリューションである。
最終的にカギとなるのは、「商品開発」と「クリエイティブ制作」という、原点回帰とも言える2つの施策だ。数年後には、改めて「Content is King.」というおなじみの言葉が語られているかもしれない。