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商材は「1年先までのすべての航空券」ANAとクリテオが構築した「CVR1.8倍向上」の仕組み


CPAを抑え、CVR1.8倍を実現

MZ:クリエイティブについては、どのような工夫があったのでしょうか?

小野:ANA様のブランドイメージを毀損せず、商品内容がきちんと訴求できるデザインテンプレートを、数千の組み合わせで用意し、各ユーザーの行動履歴データに基づき最適化します。たとえば、他のサイトでの行動履歴から価格訴求が響きやすいと推察できるユーザーには価格表示を優先したパターン、それが行き先なら行き先が確認しやすいクリエイティブが表示されます。クリックレートも加味するので、万全な最適化を図っています。

永山:先ほどのお話にも出ましたが、海外向けの広告で「ANA」とアルファベットを表示させてもユーザーには認知されません。そこでバナーには、日本のエアラインだとわかる機影や日本の現地写真を入れるなどの工夫も取り入れています。海外のエアラインは、情報ありきの目的からテキストベースのバナー広告がほとんどの中で、意図的に画像を用いて功も奏しています。

MZ:クリテオさんによる広告配信後、実際にどのような効果があったでしょうか。

小野:ANA様とは、折衝とデータベースなどの準備期間を1年以上かけて行い、万全な形で2016年2月から配信をスタートしました。導入前より航空券の販売について、CPAを抑えながら約1.8倍CVRが向上しました。もちろん、現在もその成果が継続中です。

MZ:運用面でのメリットはどのようにお感じですか?

永山365日、既に決まっている予定についてあらかじめデータをお預けできる点です。たとえば、ある期間だけプロモーションで料金が安価となるなら、変更の箇所だけを変える仕組みです。以前は毎日人力でデータ入稿を行っていたので、データ連携など人力を要していたタスクが最小化できました。

rightユーザーにrightコンテンツを提供する

MZ:では最後に、今後の課題や展望について、両社それぞれの立場からお話しください。

永山:これまではANAが提供できているデータはわずかでしたが、今後はより一層クリテオさんとの連携を深めて、リターゲティング精度の向上と工数削減を図りたいです。削減した分を、そもそものトップページへの流入施策や、CV効率化の追求に時間を回したいですね。その上で、「そう言えば、これが欲しかったかも」というユーザー目線の情報提供の質をもっと高められれば、新規ユーザーの創出につながります。

小野:今後、我々が持っていなかったANA様のデータもお預かりしていきながら、来訪ユーザーの利用頻度ごとに、もっと最適化の精度を高めたバナー表示につなげたい考えです。たとえば、ANA様の会員にも様々なステータスがあります。ステータスごとで商品のレコメンドを出し分けられれば、広告の費用対効果も上がると思います。

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この記事の著者

遠藤 義浩(エンドウ ヨシヒロ)

 フリーランスの編集者/ライター。奈良県生まれ、東京都在住。雑誌『Web Designing』(マイナビ出版)の常駐編集者などを経てフリーに。Web、デジタルマーケティング分野の媒体での編集/執筆、オウンドメディアのコンテンツ制作などに携わる。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2017/05/26 17:14 https://markezine.jp/article/detail/26470

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