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有園が訊く!

放送と通信が融合する時代、AbemaTVの存在価値とは?

 デジタル上でのコミュニケーションは、企業のマーケティングやブランディングを明らかに変革し、速度と深度を増している。有園雄一氏が業界のキーパーソンや注目企業を訪ね、デジタルが可能にする近未来のマーケティングやブランディングについてディスカッションする本連載。今回は、ローンチ1年で動画配信サービスの雄に躍り出たAbemaTVの今後を聞くべく、AbemaTV取締役でサイバーエージェント常務の小池政秀氏を訪ねた。“なんとなくAbemaTVをつける”習慣を、どこまで拡大できるだろうか?

放送のネット配信は避けて通れないトレンド

zonari 代表執行役社長/電通デジタル 客員エグゼクティブコンサルタント 有園雄一氏(写真左)株式会社サイバーエージェント 常務取締役 小池政秀氏(写真右)
zonari 代表執行役社長/電通デジタル 客員エグゼクティブコンサルタント 有園雄一氏(写真左)
AbemaTV 取締役 小池政秀氏(サイバーエージェント 常務取締役 写真右)

有園:AbemaTVの快進撃は、今ここで取り立てていうまでもなく皆さんご存知のとおりだと思います。この連載では2019年に予定されている放送法の改正、それにともなってNHKが放送のネット同時配信をするのだろうか、といったことにも注目しているのですが、今日はそうした放送と通信の融合を見据えながら、AbemaTVの現在と行き先をうかがいます。

 早速ですが、まだ確定ではないにせよ、NHKや民放など各局がネット同時配信を始める“かもしれない”というのは追い風でしょうか? それとも向かい風に感じていますか?

小池:率直にお答えして、追い風です。なぜなら、まだまだ日本ではスマホで映像コンテンツを観る習慣が定着していないので、プレーヤーが増えることで、視聴習慣がついた人の母数がもっと拡大してほしいからです。今より圧倒的に、スマホでの動画視聴ユーザーが増えたら、そこからが本当のサービス同士の戦いになってくると考えています。

有園:まずは市場形成が先だと。実際、近い将来の“競合”には、地上波の各局もいると思いますか?

小池:各局もそれぞれの考えがあると思うので、当社から何とも申し上げにくいですが、コンテンツづくりにかけてはプロフェッショナルですから、どういう形かはさておき、必ず参入するのでは。参入するしかないと思います。

話題性のある企画でユーザーベース引き上げ

有園:同感です。また、確かにどういう形かという点も、テレビの番組をそのまま流すのか、ネットオリジナルなのかなどはまだ読めませんね。AbemaTVはローンチから約1年で1,700万DLに達しているそうですが、サービスの拡大について現時点でノウハウなどは見えてきましたか?

小池:展開がまったく見えないところからのスタートだったので、ローンチ時に比べれば多少は手応えが出てきています。たとえば直近のオリジナルコンテンツだと、AmebaTV1周年記念企画「亀田興毅に勝ったら1,000万円」が想像を越えるヒットとなりました。

 もちろん反省点もありましたが、ああいった話題性のあるオリジナルコンテンツを打ち出すと、新規ユーザーにもリーチでき、既存ユーザーにはAbemaTVの再認識になります。実際、あの一件でユーザーのベースがぐっと底上げされました。

有園:なるほど。でも、約30チャンネルのうち、オリジナル番組の編成は少ないのですよね?

小池:ええ、ときによりますが、約25チャンネルは外部からの調達コンテンツで編成しています。特徴的なのが、将棋や麻雀などのコアファンをターゲットにした趣味のチャンネルですね。これらは元々ニコニコ動画やYouTubeなどでも人気がある、映像コンテンツと親和性の高いテーマです。地上波で扱うには小さいけれど、数十万単位のユーザーには安定して視聴されます。アニメに関してはそれ以上の規模になります。

 これらを積み重ねることで、AbemaTVの底堅い足場ができています。その上に、ニュースなど情報価値が高い番組と、普段観ていない人も引きつけられるオリジナル番組を構成しています。

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この記事の著者

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

有園 雄一(アリゾノ ユウイチ)

zonari合同会社 代表執行役社長/株式会社ビービット マーケティング責任者/電通総研パートナー・プロデューサー/アタラ合同会社 フェロー早稲田大学政治経済学部卒。 1995年、学部生時代に執筆した「貨幣の複数性」(卒業論文)が「現代思想」(青土社 1995年9月 貨幣とナショナリズム<特集>...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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