日経BPコンサルティングは、3万人以上のネットユーザーが国内500のサイトを評価する「Webブランド調査2017-春夏」の結果をまとめた。同調査では、ユーザー視点の利用実態、意識評価により、サイトの強み・弱みを徹底数値化。「アクセス頻度」「サイト・ユーザビリティ」「コンバージョン」「サイト・ロイヤルティ」「態度変容」「波及効果」の6つの指標で評価し、総合値をWebブランド指数(WBI)として算出している。
総合ランキング第1位は「Yahoo! JAPAN」
調査対象500サイト中の総合ランキング第1位となったのは「Yahoo! JAPAN」であることがわかった。前回第1位だった「楽天市場」は今回第2位、前回第3位の「Amazon.co.jp」は同順位だった。
「Yahoo! JAPAN」は「サイト・ユーザビリティ」以外の5項目でスコアを伸ばし、特に「波及効果」「態度変容」の上昇がWBIを引き上げた。個別の項目のうち「波及効果」では「他のサイトで製品・サービスを購入、申込」「店舗などで製品・サービスを購入、申込」、「態度変容」では「運営主の製品・サービスに関心を持った」「運営主の製品・サービスを購入・導入したい」など、いずれも「製品・サービス」関連の項目の得票が伸び、各指標を押し上げた。
一般企業1位は「ヤマト運輸」 リニューアルが功を奏す
一般企業サイト(インターネット専業企業サイトを除く)のトップ3は、「ヤマト運輸」「Tサイト」「Asahi Park」と続いた。
第1位の「ヤマト運輸」は今回、サイトの全面リニューアルを実施。「態度変容」「波及効果」のスコアの伸びが大きく、総合評価を押し上げた。同サイトでは、ターゲットごとにページをタブで切り替え、それぞれに向けたメインビジュアル、コンテンツメニューを掲載。これにより、ターゲットごとに訴求できる内容が拡大したことが各指数の上昇に影響したと日経BPコンサルティングは分析している。
第2位は「Tサイト」がランクイン。前回調査に比べて「アクセス頻度」「波及効果」以外の4項目でスコアが低下したものの、いずれも変動は小さく、安定して高い評価を得ている。特に「コンバージョン」「波及効果」が平均に比べ高い水準で推移しており、閲覧による行動喚起力の高さが評価された。
スコアが急上昇したサイトの要因は?
前回から今回にかけ、スコアが大きく上昇したサイトは「Asahi Park」「Yahoo! JAPAN」「比較.com」であった。
「Asahi Park」は前回(2016-秋冬)に比べWBIが14.6ポイント増。「アクセス頻度」が大きく上昇したことを背景に、6指標がいずれも上昇した。特にサイトの利用状況を測る「波及効果」「コンバージョン」がともに伸び、WBIを牽引した。
「比較.com」はサイトトップページをリニューアルし、レスポンシブデザインを採用。トップページの掲載カテゴリをショッピングに絞り、各カテゴリにサブカテゴリを掲載し検索性を向上させたことで、「店舗などで製品・サービスを購入、申込」が上昇。サイト外の行動を誘発させたのではないかと日経BPコンサルティングは分析する。
【調査概要】
調査目的 :Webサイトのブランド力を測定し、企業や団体の
Webにおけるブランド・コミュニケーション戦略の成果を定点観測する
調査手法 :インターネット調査
調査対象 :全国、20歳以上のインターネット・ユーザー
(日経BPコンサルティングの提携調査会社の調査モニター)
有効回答数 :35,616件
調査対象ブランド:企業や団体が運営する日本の主要500サイト
調査実施期間 :2017年4月12日(水)~4月19日(水)
※半年ごとに年2回実施(春夏:4月、秋冬:10月)
調査企画・実施 :日経BPコンサルティング
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