AIのマネージメントで解決率を大幅に改善
山野氏は、LINE カスタマーコネクトの利便性を最大化する機能が「Auto Reply」だと語る。自動対応が可能になれば人員コストの削減にもつながる。中でもベルシステムならではといえるのが、AIの運用において、AIのチューニングを専門とする「AIトレーナー」が存在し、AIの学習を効果的にサポートすることができる点である。
「一般的に、一問一答タイプのFAQは2割くらいの自己解決率だといわれていますが、弊社のAIトレーナーが、AIのマネージメントをすることで、その率を大幅に引き上げることが可能です。細かいチューニングをすることで、精度をさらに向上します」(山野氏)
LINE カスタマーコネクトを導入する企業のメリットとは、AIによる利便性と有人を適切に使い分けることで、人員コストの削減とユーザーの自己解決率の向上による満足度向上を同時に実現できる点にある。さらに山野氏は2017年6月に発表された、2025年までにアナログの固定電話網(PSTN)をすべてIP通信網に置き換えるとの総務省の方針を踏まえ、「中長期的に見ても効果が高い」との見解を示す。
「IP通信網化を見据えると、最適なIP対応は喫緊の課題になっていくでしょう。IP電話と同じようにパケット通信を使用するLINEでの音声通話に対応した機能を備えた「LINE カスタマーコネクト」を導入し、先手を取っておくことが重要です。LINE カスタマーコネクト自体、LINEの無料通話機能(ベータ版)をオプション活用できますし、今後IVRによる自動応答システムも活用できる予定です」(山野氏)
「LINE カスタマーコネクト」を導入することで、通話コストを削減でき、さらにサービスの利便性向上にもつながるはずだ。
気軽な問い合わせに応えるための仕組み
では、エンドユーザーにはどのようなメリットが考えられるだろうか? 最も大きなメリットは、LINEを通じて“気軽な問い合わせができること”だろう。
「例えば、朝の通勤時間中に問い合わせをしておいて、昼の休み時間中にその回答を確認。その後さらに浮かんだ疑問について問い合わせをしておくことで、退勤時には再び回答を得られる。コミュニケーションへのハードルが格段に下がり、結果として企業とユーザーのコミュニケーションが活発になります。またプッシュ通知が届くため、ユーザーの確認漏れも防ぐことができると思います」(山野氏)
「LINEでの対応は、電話とメールの中間に位置付けられると思っています。わざわざ電話で話すほどでもなく、メールのような形式的なやり取りが求められるわけでもない。LINEこそ電話とメール双方のサービスを展開する弊社の強みが活かされると考えています」(山野氏)
コンタクトセンターで培った有人対応のスキルとメール対応でのテキストを介したコミュニケーションスキルなど幅広い知見が、LINEでのエンドユーザー対応に必要とされるのだ。一方、LINEでは問い合わせのハードルが低いがゆえに、ユーザーから雑談的な質問も舞い込んできそうだが、その点も心配ないと山野氏は太鼓判を押す。
「雑談の部分を含めてAuto Replyが十分に機能できるようにAIトレーナーがAIをチューニングしていますし、運用上のルールを定めて適宜有人対応に振り分けるため問題ありません。こういった、ややこしい、面倒そうだといった対応に弊社の強みが発揮されますので、ぜひ一度弊社へ気軽に相談してほしいですね」(山野氏)