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成果につなげるアプリ運用

インストール数、追い求めすぎてない? アプリ活用で本当に追い求めるべき指標とは

最適なチュートリアルの選び方

 マジックナンバー分析でどのような体験(what)を新規ユーザーにさせるべきかというのが決まったら、次はどう伝えるか(how)を考えます。

 初回起動時にどのようなチュートリアルを使ってアプリの価値を伝えるかがアプリ事業者としてセンスの問われるところでもあります。

 ここでは、Googleがマテリアルデザインに関する情報をまとめているサイト「Material.io」での分類をもとに、代表的なチュートリアルのタイプを事例とともにご紹介します(※2)。

※2 https://material.io/guidelines/growth-communications/onboarding.html

ベネフィット要約型(Top User Benefits)

 初回起動時の最初に、3枚から6枚ほどのスライドでアプリの特徴や使い方の説明をするのがベネフィット要約型です。恐らく3つの中で最もポピュラーなタイプのチュートリアルだと思います。アプリのストロングポイントやユースケースを素早く伝えられるので、どんなカテゴリのアプリにも対応できるメリットがあります。

 最近は動画やアニメーションでベネフィットを伝えるアプリもあり、たとえばInstagramから分離した画像編集アプリ「layout」では各スライドでアニメーションが使われています。そのため画像加工の仕方が容易にわかり、アプリの価値がより伝わりやすくなっています。

カスタマイズ型(Self-Select)

 カスタマイズ型は、チュートリアル中にユーザーに好みを回答してもらうことで、最初からユーザーごとに最適なコンテンツやUIを提供するタイプのチュートリアルです。ニュースアプリなど、得たいと思っているコンテンツがユーザーによって異なる場合に有効です。

 たとえばDeNAの提供するニュースアプリ「ハッカドール」では、チュートリアル中に新規ユーザーの好みのジャンルを詳しく聞くことで、初回起動時からユーザーごとに最適化されたニュースコンテンツを提供しています。

ニュースアプリ「ハッカドール」のチュートリアル例。チュートリアルを進めるごとに、大ジャンル→ 中ジャンル→ 小ジャンルとユーザーに好みを細かく選択させている
ニュースアプリ「ハッカドール」のチュートリアル例。
チュートリアルを進めるごとに、大ジャンル→ 中ジャンル→ 小ジャンルと
ユーザーに好みを細かく選択させている

クイックスタート型(Quickstart)

 起動してすぐアプリの説明をするのではなく、ユーザーがアプリの特定の機能を利用する際にガイドするのがクイックスタート型のチュートリアルです。

 ユーザー自身にボタンのタップや写真撮影などのアクションを促しながら進むので、アプリがメインで提供する価値をユーザーが体感しやすいというメリットがあります。SNSやユーティリティアプリなど、イラスト付きの説明文だけでは使い方が理解しづらいアプリに向いています。

 たとえば少し前にアメリカを中心に話題になったSNSアプリ「Peach」では、テキストを打ち込むだけでGIF画像や手書きのイラストなどを送ることができる機能を理解してもらうために、実際にユーザーに様々なテキストを打ってもらうチュートリアルを設けています。

SNSアプリ「Peach」のチュートリアル例。
”gif”と打ち込むと送信したいGIF画像が選択できるといった
独特な機能がユーザーに理解しやすいチュートリアルになっている

おわりに

 第2回ではアプリ運用の現場において最もよく見られるインストール数についての誤解を正し、インストール数ではなく継続率を高めること、中でも新規ユーザーを定着させるオンボーディングの重要性、そしてオンボーディングを成功させるための方法についてご説明しました。

 あるデータによると、平均的なアプリは最初のインストールから30日以内には90%のユーザーを失っているそうです。まずは新規ユーザーの継続率改善に注力し、ユーザー獲得コストを無駄にしないようにしましょう。

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この記事の著者

伊藤 直樹(イトウ ナオキ)

 新卒で朝日新聞社に入社し、ニュースサイト「朝日新聞デジタル」のWEBディレクターとしてWEBサイトとアプリの改善に従事。2016年1月にアプリの解析・マーケティングツールを提供するRepro株式会社にジョインし、マーケター兼インサイドセールスとしてアプリマーケティング市場の啓蒙から見込み顧客の獲得まで幅広く行う。...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2017/08/31 10:00 https://markezine.jp/article/detail/27000

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