広告主のKPIが変化し、健全な広告配信環境がマストに
MZ:そのほか、アドフラウド対策が注目されてきた理由にどんなことがあるのでしょうか。
甲斐:広告主さまのKPIに変化が出てきたからではないでしょうか。スマートフォン広告のアドネットワークが始まった2011年頃のKPIは、CPCやCPAが重要な指標でした。
現在では、広告費用対効果であるROASを重視したいという声が増えています。
また、ディスプレイ広告からリッチ広告・動画広告と広告のフォーマットの種類も変化しています。当たり前のことですが、広告は適切な広告面に正しく配信されなければいけません。そのためにも、不当請求や正しい効果が測れないことにつながるアドフラウドへの対策が本格的に求められてきていると思います。
MZ:アドフラウド対策をしているメディアやアドネットワークであるかどうかが、出稿先として選ばれる基準になってきているとも考えられますね。
巧妙化するアドフラウド。どうやって対策していく?
MZ:では、アイモバイルのアドフラウド対策について教えてください。
甲斐:アドフラウドやブランドセーフティの対策は、技術や営業、審査担当を含めた20名規模の体制で行っています。パートナーメディアのコンテンツを弊社基準で審査するだけでなく、外部機関によるパトロールも実施しておりブランドセーフティにつながる安全性の確保に努めています。
またアイモバイルのアドネットワークは、インプレッション課金ではなくクリック課金です。そのため、表示されていない広告に対しての不当請求はございません。当然ですが、請求の発生するクリックに関しても自社独自基準でのアドフラウド対策を行っておりましたが、更にPhybbitさんのSpiderAFを導入し、機械(bot)によるクリックの水増しなどに対する対策を強化しています。
MZ:SpiderAFとはどのようなツールなのでしょうか。
大月:AIを活用した、アドフラウド検出ツールです。掲載された広告のデータをもとに、配信先のメディアをパトロールし、コンテンツモニタリングを行います。html情報やアクセスしたサーバー、ドメイン情報、端末・IPなどを分析してスコアリングをし、検出した現象がアドフラウドであるかを判断しています。
SpiderAFの大きな特徴は、AIを使っていることです。巧妙化しているアドフラウドの情報を蓄積していくことで、エンジンが自ら学習をしていきます。
MZ:アドフラウドの巧妙化は進んでいるのでしょうか。
大月:先ほど説明をしましたスプーフィングの巧妙化はものすごく進んでいると思います。また悪質なbotの動きも複雑になってきています。たとえばアプリのインストール後、起動をすることで成果報酬をカウントする広告がありますよね。これに対し、広告のクリックからアプリのインストール、そして起動までbotが行っているというケースがありました。
SpiderAFは、広告配信のデータ解析と得たデータをもとにアドフラウドのクラスタリング解析をしています。検出したアドフラウドが新しいものか既存のものかを判断し、学習していくことでエンジンの精度が上がっていきます。
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