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イベントレポート

拡散は共感があってこそ!予約4,000人待ちの学生シェフを起用したイベントに隠された新しいPRの形


 新しいファンの獲得を狙う企画では、どうしても「拡散」を求めてしまうもの。現にバズを狙ったであろうプロモーションが、数多く実施されている。そんな中、本記事で紹介するイベントは、拡散と共感をデザインすることで、コアなファンを確実に創造していくというもの。オンラインとオフラインを活用したイベント企画による、新しいプロモーションの在り方を取材してきた。

ミレニアル世代のコンパスになりたい

 「HEAPS」と「Be inspired!」のメディアイベントとして、新たな試みに挑戦したHEAPS.。本記事では、イベントの目的や手法、考え方、可能性に迫っていく。

メディア「HEAPS」と「Be inspired!」の概要

 「HEAPS」と「Be inspired!」は、ミレニアル世代の指標、生き方のコンパスとなることをミッションとするWebメディア。食や性、人種、働き方などといったソーシャル問題に対して、世界中で起きている取り組みを取り上げ紹介している。

 スティーブ・ジョブズ氏により有名となったワード「Stay hungry Stay foolish」。これを生み出したアメリカの雑誌『Whole Earth Catalogue』にインスピレーションを受け、21世紀の『Whole Earth Catalogue』を目指してコンテンツの配信を行っている。

 読者にはミレニアル世代に該当する25~35歳の人が多く、それとほぼ同数で35~45歳の読者層も抱える。欲しい情報を瞬時に手に入れ、発信することができる今の環境でなら、ソーシャルな問題にも個人で取り組めることが沢山あるのでは?と提示する両メディアには、多くのコアなファンからの支持を受けている。

 なお、「HEAPS」と「Be inspired!」は、理念やミッションなどは共通だが、運営の拠点が異なる。「HEAPS」はニューヨークを拠点に海外の情報を取り扱っており、「Be inspired!」は日本を拠点に情報を発信している。

ファンの創造には、共感と拡散のデザインが必要

3日目の公開取材には、200名が集まった
3日目の公開取材型イベントの様子

MZ編集部:今回の実施されたイベントの概要を教えてください。

春日原氏:イベントは2つの構成に分かれていています。第1部ではコンテンツの再現型・体験型イベントを、第2部で公開取材会を実施しました。

 イベントの目的は、メディアで発信したコンテンツに読者が触れる機会を提供することです。我々は、コンテンツに触れて体験することで、コンテンツへの共感が深まるだけでなく、その共感を発信する人が増えるのではないかという仮説を立てていました。今回はその仮説に基づき、新しい体験型のマーケティングとして実証実験し、同時にプロモーションにもつなげたいと考えていました。

 今回のイベントでは第1部・第2部ともに、Jonah Reider(ジョナ・レイダー)氏を起用して、ディナー会と公開取材を実施しました。

MZ編集部: Jonah Reider氏とは、どのような方ですか?

春日原氏:Jonahさんは、ニューヨークを拠点に活動しているフリーランスのシェフです。今、アメリカでは民泊ならぬ“民食=ソーシャルダイニング”が流行の兆しを見せていますが、彼はその第一人者です。彼が学生寮で始めたサパークラブという食事を提供する小さなダイニングクラブがアメリカの各誌に取り上げられて話題を呼び、約4,000人待ちという爆発的な人気を博しています

Jonah Reider氏
Jonah Reider氏

 投資家や有名レストランからのスカウトもあったため、彼の卒業後の進路に注目が集まっていたのですが、彼が選んだのはフリーランスでした。「だってレストランって不自然じゃね?」と一風変わった視点で活動する彼の働き方は、ミレニアル世代から大きな反響を呼んだんです。「HEAPS」でも彼を取り上げましたが、その記事のリーチは18万に達していて、彼の影響力の大きさは明らかでしたね。

MZ編集部:いわゆる、インフルエンサーといえるのでしょうか?

春日原氏:そうですね。しかし、今回実施したイベントは、単なるインフルエンサーの起用による拡散を狙ったものではありません。

 今主流のインフルエンサーマーケティングって、共感と拡散のバランスが悪いケースが多いと思うんです。商品・サービスを展開するには、コアなファンを創造していくことが重要です。しかし、多くの企業はコアなファンを増加させることが目的の施策で、拡散まで求めてしまう。

 拡散させたいという気持ちはとてもよくわかるのですが、コアなファンを獲得するためには彼らと語り合って、共感を得ることが重要です。そしてこれを量産化するのは非常に難しいので、あまり現実的ではありません。

MZ編集部:たしかに。実際に語り合う場を沢山設けようとなると、相当なコストと時間がかかりますし、そこに人を集めるPRの段階からハードルが高いですね。

春日原氏:そこで企画したのが、今回のイベントなんです。共感と拡散をきちんとデザインすることで、ファンの創造と拡散を実現できる施策です

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この記事の著者

松崎 美紗子(編集部)(マツザキ ミサコ)

1995年生まれ。早稲田大学商学部を卒業後、新卒で翔泳社に入社。新入社員として、日々奮闘中です。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2017/10/10 13:11 https://markezine.jp/article/detail/27095

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