重視したのは、配信先の透明性とリテンションへの貢献
――動画広告のクリエイティブ面の工夫についてもお聞きしたいです。DELISH KITCHENさんはそもそも動画を軸としたサービスなので、テレビCMや動画広告にも専門的なノウハウが活かされていると思います。今回、テレビとオンライン広告で映像の作り分けはされましたか。
中村:はい。テレビCMにもオンラインでの動画広告にも、実際のサービスで提供しているレシピ動画を活用していますが、クリエイティブは分けています。
当時レシピ動画サービスの認知度がまだまだ高くない中、テレビCMでは、「DELISH KITCHEN」というサービス名、「レシピが動画で見られるアプリ」というサービスの概要、「作りたい!が見つかるレシピ動画」というコンセプトの、3つの基本的な情報がしっかり伝わるよう、丁寧に作りました。
デジタルの動画広告では、大きく二種類のクリエイティブを用意しました。ひとつは、テレビCMを流用したものです。テレビCMと同じくサービス名、サービス概要、コンセプトを伝えるのが主眼です。もう一つ、”レシピ推し”のクリエイティブもたくさん制作しました。こちらは、人気のあるレシピを使ってアプリをダウンロードしてもらう狙いですね。
――なるほど。クリエイティブについてお話をうかがえましたので、今度は配信面について聞いてまいります。DELISH KITCHENさんはオンライン広告ではソーシャル広告を中心に展開されてきて、今回新たにアドネットワークを活用されたわけですが、今回AppLovinさんのアドネットワークを選んだ理由をうかがえますでしょうか。
中村:アドネットワークを選定する上で私たちが特に重視しているのは、配信先の透明性と、DELISH KITCHENを継続的に使ってくれるユーザーに対してどれくらい効率的にリーチできるかです。
まず透明性について、配信される媒体がわからないネットワークには出稿していません。AppLovinさんは管理画面で配信先を100%確認でき、さらに配信面ごとのパフォーマンスまで確認できるため安心して出稿できました。
また、リテンションにつながるユーザーの獲得については、AppLovinさんは弊社のターゲットユーザー層に合った配信面を持っていて、しかも配信先ごとにリテンションデータを使って最適化してもらえるため、ユーザーの質を維持しながらボリュームを増やせるというのが非常に魅力的でした。
さらには、グローバルで展開されているという信頼性を感じたことも大きいですね。実は、AppLovinさんを知ったのは、媒体社様から、効果の出やすいアドネットワークだと紹介してもらったのがきっかけでした。
実際に走らせてみると、想定以上に獲得パフォーマンスが高く、優良な配信面ばかりでした。長くDELISH KITCHENを使ってくれるユーザーがいそうなアプリの配信面に確実に当てることができた印象です。
アプリ利用状況データを活用して優良顧客獲得に向け配信面最適化
――AppLovinさんでの配信は、どうしてリテンションにつながる質の高いターゲットへの配信につながりやすいのですか。
林:アドネットワークによっては最初から配信面を選定することで広告主の商材に合いそうなユーザーへの配信を目指すものもありますが、AppLovinの場合はいったん出せる配信面にすべて出し、それから自動で最適化を図って効果を伸ばします。人間の先入観よりもアルゴリズムの方がより正確に、ふさわしい配信面を見つけることができるんです。
そのために重要なのが、DELISH KITCHENアプリの「インストール後の利用状況データ」との連携です。トラッキングツールとAppLovinとの間でAPI連携しているため、トラッキングツール側の管理画面上で設定いただけます。
具体的には、例えばアプリの起動データを使い、配信面ごとのリテンションをAppLovin側で計測し、ダウンロード後1日目の利用状況(起動率)や7日目の利用状況(起動率)を使い、リテンションの高い配信面に広告配信を寄せていきます。
このデータ連携によって、ただのインストールではなく、「より継続的に使っている優良なユーザーのインストールが多い配信面」など、本質的な目標を達成している配信面に予算を配分することが可能になります。
――実際には、どんな媒体で優良なユーザーが効率的に獲得できたのですか。
萬野:若い女性層が多いカジュアルゲームや、非ゲームだとフリマや写真加工、家計簿といったアプリの効果が高かったですね。