Z世代は「生まれながらの起業家」
こうした環境で育ったZ世代とは、どんな性格を持つのだろうか? コンサルティング会社のミレニアル・ブランディングが行った「ハイスクール・キャリアズ・スタディ」という調査では、Z世代の89%が「暇な時間にぶらぶらするよりも、生産的でクリエイティブな活動をする」と答えた。また、62%が「既に確立された会社で働くのではなく、自分でビジネスを立ち上げたい」と回答。同様の意見を持つミレニアル世代は43%にとどまっている。
一方、Z世代の71%が「少なくとも最初のベンチャー事業は失敗すると予想されるが、失敗は学びの機会」ととらえており、成功が容易に得られるものではないことを心得る現実的な面を見せている。
また、経済的には堅実で、2017年8月11日付の『Forbes』によると、Z世代の12%が既に老後の資金を貯蓄。21%が10歳までに定期預金口座を持ち、77%がフリーランスやパートタイムなどで自らお金を稼いでいるという。
EYによるとZ世代は、「自意識が強く、自立的。イノベーティブで、目標がはっきりした現実主義者」。一言で言えば、「生まれながらの起業家」だ。「自己中心的で依存心が強く、クリエイティブで理想主義者」のミレニアル世代と対照を成しているという。
セレブよりもユーチューバー
Z世代の性格は当然、彼らの好みや消費行動にも表れている。現実主義的な彼らは、YouTubeやソーシャルネットワークを通じて「リアルな人々」との交流を好む傾向にあり、商業的に作られたコンテンツよりも若い素人の「ユーチューバー」が自分のイニシアティブで作った動画視聴に多くの時間を費やしている。
Z世代にとってのスターはSmosh(スモッシュ)やPewDiePie(ピューディパイ)、KSIといったユーチューバーたち。ミレニアル世代がマーク・ザッカーバーグやジャスティン・ビーバー、レディ・ガガなどの有名人を挙げているのとは一線を画している。調査会社カサンドラによる『カサンドラ・レポート』(2015年春)によると、Z世代の63%は「セレブリティよりも普通の人を使った広告がいい」と答えており、ミレニアル世代の37%を大幅に上回った。

自分で情報にアクセスでき、自ら行動を起こすZ世代は、ミレニアル世代と比べて「小売店への忠誠度が低い」という結果も報告されている。EYによると、「小売店のロイヤルティ・プログラムはお店を特別なものにするか?」との問いに対し、Z世代は30%が「はい」と回答。ミレニアル世代の45%を下回った。また、Z世代のショッピングスタイルは、オンラインで注文した商品を家まで配送させるというもので、彼らを店舗に呼び込むのは難しい状況となっている。