認知拡大に役立つ「マルチクリエイティブ戦略」とは
MZ:具体的にはどういった提案をされたのでしょうか。
宮田:今回の依頼は、新商品におけるM1層への認知を高めるということでした。それを実現するために重視したのは「マルチクリエイティブ戦略」です。
TVCMのように1つのクリエイティブを作り上げ、それを何度も見せて知らしめるのではなく、「極じゃが」という新商品が登場したことを、複数のクリエイティブを用意し、全てが絶妙に異なる表現になるようにしました。クリエイティブ自体は3パターンでしたが、細かく分けると全部で72パターンの動画があります。
MZ:実際のクリエイティブの動画について解説いただけますか。
堂下:「極じゃが」という商品は、極みカットと呼ばれる手法で独自の食感と味わいを持っている商品です。そのカットに特徴があることをメッセージとして伝えるために、『カルビーからの挑戦状』というテーマで、3シリーズの広告クリエイティブを制作しました。空手家、マジシャン、フルーツなどで彫刻作品を作るカービング名人にじゃがいもを切ってもらいます。
ここには、どんなに道を極めた挑戦者たちも成し遂げられないけれど、じゃがいもを「極み」カットできるのはカルビーさんだけであることをメッセージとして伝える狙いがあります。同じメッセージをシリーズ動画として複数の切り口で訴求することによって、認知向上を狙いました。
これが、空手家だけ、など1シリーズのみだとすぐに見た人に飽きられてしまいますが、伝え方を変えたものを用意することで、より印象に残りやすく見てもらえる作品を目指しました。
