世界最大のA/Bテストイベント「Opticon 2017」開催
Optimizely社は、2017年10月17日~19日の3日間、「Opticon(オプティコン) 2017」をラスベガスで開催。IBMやAccenture、ニューヨーク・タイムズ、BBC、Gapをはじめとする、先駆的なA/Bテストユーザー達が集い、同イベントで各社の取り組みを紹介した。
米国ではすでに、ユーザーエクスペリエンス改善は競合競争のキーであり、もはや中長期的計画ではなく今解決しなければならない課題という意識が高まっている。そして、そのソリューションとなるA/Bテストを含む実験も注目を集めている。
同イベントの主催企業であるOptimizely社からも、実験の重要性・ニーズが年々高まっていること、そしてニーズに応えるべく開発された実験プラットフォーム「Optimizely」の新機能が紹介された。
次世代化したA/Bテスト、ビジネスの意思決定における重要な要素に
「”A/BテストとはWebサイト上のボタンの色を変更しコンバージョンを改善するツール”というイメージは過去のものだ」とOptimizelyの共同創業者 兼 エグゼクティブチェアマンのダン・シロカー氏は述べる。
現在、A/Bテストの適用範囲はサーバーやクロスデバイス、アプリ、オフラインデータ活用など大きく広がり、あらゆるチャネルでユーザー行動に応じてアクションを起こし反響を計測することが可能になった。実験によってユーザー行動をより広く深い理解することができるようになったことで、ビジネス上の意思決定における重要な要素として実験が活用されるようになったのだ。
Amazonをはじめとした世界的なデジタルリーディングカンパニーは、既に実験を組織に定着・活用し、実験から独自の知見を深め、さらなる成長へと向かい前進している。この証拠として、Amazonの創設者兼CEOであるジェフ・ベソス氏による有名なコメントがシロカー氏によって紹介された。
「Amazonの成功は、1年、1ヵ月、1週間、1日のうちに何回の実験を行うかにかかっている」 ―ージェフ・ベソス
実験がビジネスの意思決定に活用されるようになったことや、ニーズの高まりに比例して、実験ツールが提供する機能も変化している。「Optimizely」の初期から提供されているA/Bテスト「Web Experimentation」やWebパーソナライゼーション「Web Personalization」はGUI経由でWebページを疑似的にJavaScriptで書きかえ、ユーザーエクスペリエンスを変化させるものだった。しかし2016年にリリースされたサーバーサイドテスト「Full Stack」は大きく性質が異なる。
実験を、よりマルチチャネルへ、よりダイナミックにという現在のニーズが反映された「Full Stack」はC#やJava、Pythonなど、主要なプログラム言語上で実験を稼働させるツールだ。サーバー上でのサーバーサイドテストはもちろん、モバイルや店舗端末、iOT機器など、あらゆるデバイスにおける、よりダイナミックな実験を行うことが可能になった。
たとえば検索や購入会計処理などのアルゴリズムテスト、システムパフォーマンスの比較テスト、さらにモバイルやiOT機器でのユーザーエクスペリエンス改善など、以前は実験がまったく不可能か非常に難しい領域やチャネルおけるダイナミックな実験が、「Full Stack」を利用することで可能になるのだ。