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女性の心をつかむマイクロマーケティングとは? トレンダーズとエーザイが明らかに

女性の「半径5mの世界」を演出する

 では、各SNSの特徴はわかったが、どのようにして活用していくべきなのだろうか。これに対し黒川氏は「半径5mの世界観」というキーワードを挙げる。

 「今の女性は、自分の周りで起きているできごとに対し、興味があるかないかをすぐに見分けます。そこで求められるのは、ターゲットとなる女性の「半径5mの世界で起きてることなんだよ」という親近感を演出することです」(黒川氏)

 そして、同氏は「半径5mの世界観」を演出するために必要な3つのポイントを解説した。まずは、特定の領域において影響力を持つ「マイクロインフルエンサー」の活用だ。フォロワー10,000前後と決して多いというわけではないが、その分非常にエンゲージメントしやすい特徴を持つ。この層にいかにして発信してもらうかが重要だ。

 続けて、ハッシュタグを上手に使うのもポイントの1つだという。ハッシュタグをつけることによってそれに共感する人たちのコミュニティが自然に生まれ、ハッシュタグが自動的に拡がっていき、同じ価値観を持つ人たちをどんどん束ねることができるというのだ。

 最後に黒川氏がポイントとして挙げるのは動画。「短尺動画やタテ型動画が登場して以降、女性が動画に反応するようになった」と同氏。タテ型動画だと人物が最大表示されるため、あたかもスマートフォンで撮影されているかのような感覚が親近感を演出するのだ。

 ここで講演を終えた黒川氏は、そのままエーザイのコンシューマーhhc事業部にてマネージャーを務める古浜絢子氏と共に、トークセッションを行った。ここからはその模様をお届けする

お客様の声に後押しされて新商品を開発

黒川:古浜さんは、長い間女性に寄り添ってきたチョコラBBのマーケティングをご担当されていますね。ここ数年でラインアップが増えているという印象がありますが、いかがですか。

エーザイ株式会社 コンシューマーhhc事業部 マネージャー 古浜絢子氏
エーザイ株式会社 コンシューマーhhc事業部 マネージャー 古浜絢子氏

古浜:チョコラBBは現在、18種類のラインアップを取り揃えております。元々「医薬品」としてチョコラBBは始まっていますが、妊娠・授乳中に医薬品を飲みたくない、毎日毎日飲み続けるよりも今の疲れに効く飲料が欲しいなど様々な要望をいただきました。その中でも、重要度が高いと思われる商品を開発してきました。

黒川:ラインアップを増やしていく上で苦労したことはありますか。

古浜:毎回出すべきかどうかの判断が大変ですね。たとえば、チョコラBBスパークリングという商品は栄養機能食品の炭酸飲料なんですが、炭酸飲料のビジネスは激戦の市場です。そのため、当社のような製薬会社が新規参入して果たして生き残れるのか、お客様に新しい価値を本当に提供できるのか、という議論が日々行われていました。

黒川:議論を経た結果、「開発・販売しよう」となったのはどうしてでしょうか。

古浜:やはり、お客様の後押しがあったからですね。本商品は、女子大生や新社会人の方々と一緒に作らせていただきました。

 既存のビジネスを打破して、新たなお客様にチョコラBBのブランドの価値をお届けしたいと考えていました。そのため、今まで手を伸ばしたことのないお客様と一緒に製品コンセプトを考える機会を設けました。彼女たちの意見に耳を傾けたことで、素敵な商品になったと思います。

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この記事の著者

元永 知宏(モトナガ トモヒロ)

1968年、愛媛県生まれ。立教大学野球部4年時に、23年ぶりの東京六大学リーグ優勝を経験。ぴあ、KADOKAWAなど出版社勤務を経て、フリーランスに。『本田宗一郎 夢語録』、『羽生結弦語録』(ぴあ)などを編集。2016年10月に『期待はずれのドラフト1位』(岩波ジュニア新書)を上梓した。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2017/12/07 11:00 https://markezine.jp/article/detail/27458

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