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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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おもてなし業界のデジタルマーケティング最前線

「Amazonで本を1冊買って勉強した」ネット広告を自力で使い倒す、バリューマネジメントの考え方

雑誌を読む片手にはスマホがある~媒体の使われ方の変化

――ブライダル業界は、紙媒体の広告が強い印象があります。バリューマネジメントは紙媒体の広告にも出稿されていますか?

笠:はい、出稿しています。紙媒体の広告が強いのは現在進行形ですね。一方で、以前ブライダル業界では「マーケティング=雑誌広告への出稿」と言っても過言でないほどでしたが、スマートフォンが登場してからはネットの重要性もぐっと増しました。

 なぜなら、雑誌を読む片手にはスマートフォンがあるからです。皆さん恐らく、雑誌で見つけた気になるワードを検索にかけながら、自分好みの結婚式のスタイルを探っているのでしょう。ということは、雑誌の使われ方自体が変わってきているんですよね。スマートフォンには思ったことをそのまま打ち込めるので、Googleの検索窓が気持ちの窓になっていると考えています。

 そういう意味では、定量的なデータだけで人は動かないと考えていて、スマートフォンの検索履歴から明らかになるお客様の心理など定性的なデータを読みながら、お客様が知りたい情報をネットで補えるようにしています。

――ネットでの情報発信は、具体的にどのようなことをされていますか?

笠:ネット広告はもちろんですが、ウエディングパークさんなどのポータルサイトへも出稿しています。基本的に弊社はすべてインハウスで取り組んでいることが特徴だと思いますが、SEOからリスティング、Googleアナリティクスの解析も行っています。

全社で取り組む「バリューチェーンの一本化」

――マーケティングは基本的に、本社のマーケティング部の方が担当されているのですか?

笠:そうですね。時間をかけて考えながらマーケティングを設計する部分は、本社の組織で行っています。ですが、店舗の現場スタッフが担当している役割もあります。我々は、マーケティングとプロモーションを明確に分けて考えていて、現場のスタッフにはプロモーションを担当してもらっています

 というのも、現場のスタッフは日々お客様と向き合っているという点で、本社の者より圧倒的に情報量が多い領域があるんです。しかし始終マーケティングについて考える時間はない。そこで弊社では「バリューチェーンの一本化」として、マーケティング部と現場のスタッフが同じ目標に向かって連携して取り組める体制を整えています。

――組織作りから取り組まれているんですね。

笠:はい。ブライダル事業を例にすると、現場のプロモーション担当はポータルサイトへの入稿や、掲載面のメンテナンスなどを行います。こういった作業がマーケティングとしてどのような意味を持っているのかを、現場の担当者がきちんと理解しているか否かで、クオリティや効果は全然違ってきます。

ポータルサイト「ウエディングパーク」への掲載画面
ポータルサイト「ウエディングパーク」への掲載画面

 さらに連携を深めるために、月に1回研修も行っています。我々が現場のスタッフにレクチャーすることは、世の中の動き的な部分ですね。常にアンテナを張っていないと入ってこない情報なども含めて、研修で知見・ノウハウを共有しています。

 また逆にマーケティング部が共有してもらうこともあります。たとえば、ネット広告などの施策でターゲットにした顧客層と、実際に店舗に訪れた顧客層にズレはないか、などというようなことを確認しています。我々としては、マーケティング施策の答え合わせのようなイメージで臨んでいます。

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定性的なデータを基に、マーケの基礎力を向上

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この記事の著者

松崎 美紗子(編集部)(マツザキ ミサコ)

1995年生まれ。早稲田大学商学部を卒業後、新卒で翔泳社に入社。新入社員として、日々奮闘中です。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2017/12/14 08:00 https://markezine.jp/article/detail/27501

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