SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

おすすめのウェビナー

マーケティングは“経営ごと” に。業界キーパーソンへの独自取材、注目テーマやトレンドを解説する特集など、オリジナルの最新マーケティング情報を毎月お届け。

『MarkeZine』(雑誌)

第100号(2024年4月号)
特集「24社に聞く、経営構想におけるマーケティング」

MarkeZineプレミアム for チーム/チーム プラス 加入の方は、誌面がウェブでも読めます

おもてなし業界のデジタルマーケティング最前線

「Amazonで本を1冊買って勉強した」ネット広告を自力で使い倒す、バリューマネジメントの考え方

 ブライダルやレストラン、ホテルなど、おもてなし業界のデジタルマーケティング最前線を追いかける本連載。本稿では、リスティングやSEO、データ解析などのすべてをインハウスで行っているバリューマネジメントを紹介する。知識もノウハウもゼロに近い状態から、全社的にデジタルマーケティングに取り組むに至るまでの経緯や組織体制、PDCAの回し方などについて話を聞いてきた。

「日本文化を紡ぐ」というミッションのもとに

バリューマネジメント株式会社 マーケティング部 ゼネラルマネージャー 笠正太郎氏
バリューマネジメント株式会社 マーケティング部 ゼネラルマネージャー 笠正太郎氏

――初めにバリューマネジメントの事業概要について、お聞かせください。

笠:バリューマネジメントは、レストラン・ブライダル・宴会・宿泊の4事業を展開している会社です。「日本文化を紡ぐ」をミッションに掲げておりまして、歴史的建造物を活用した施設の運営事業を主軸に展開しています。

――笠さんは、どのような業務を担当されているのですか?

笠:現在、弊社は10店舗を経営しておりまして、私は10店舗それぞれで行うマーケティング、特にWeb周りを中心に担当しています。店舗によっては4つすべての事業を展開していない場合もありますが、基本的には4事業×10店舗のデジタルマーケティングを統括しています。

 我々は、街との融合や歴史的な背景を大切にしているので、10店舗それぞれに特徴的な要素が多くあります。ですので、店舗ごとにマーケティングの施策も異なりますね。

バリューマネジメントが運営する施設の一部
バリューマネジメントが運営する施設の一例

マンパワーでの営業に限界があるなら、ネットにやってもらおう

――ブライダルやレストラン、ホテルなどの業界は、マーケティングやデジタルシフトが遅れていると言われています。バリューマネジメントがデジタルマーケティングに取り組まれるようになったのはいつ頃でしたか?

笠:私は以前法人営業を担当しておりまして、2012年の冬に、翌年の事業計画にあった営業の目標数字を見て「これは365日営業回りをしても絶対に達成できないぞ」と頭を抱えたことがあったんです。その時に、職種は営業でしたが、ネット広告を始めようと考え始めました

 当たり前ですが、マンパワーでは1日に100万枚のチラシを配ることは不可能ですよね。ですがバナー広告を展開すれば約100万インプレッションは達成できます。ネット広告を出して、365日営業マンの代わりに営業してもらったら、やりようによっては化けるんじゃないか? と考えたのです

――ネット広告を出すとなると、外部企業に運用などのサポートを依頼する企業も多いと思います。笠さんはその時どうされましたか?

笠:外部企業に依頼することは、考えませんでした。AmazonでGoogle AdWords(以下、アドワーズ)の始め方について書かれている本を1冊購入して、速攻で読破しました(笑)。そこから自社内でPDCAを回しながら知見やノウハウを蓄積し、今に至ります

――外部に頼らず最初から自社の力で展開されたのには、どのような考えがあったのでしょうか。

笠:たとえば、ネット広告にも、Yahoo! JAPANやGoogleが展開するリスティング広告やディスプレイ広告、またFacebookやTwitterをはじめとするSNS広告など、様々なものがありますよね。そして、Google の広告といっても、アドワーズだけでなく、GDNやPLA(商品リスト広告)など多種多様です。自社の魅力を最大限に伝えるためには、どういう時にどの商品をどう使えば良いのか、というところまで追求しなければなりません

 ブライダル事業で例を挙げると、結婚式と2次会、1.5次会ではターゲットも訴求軸もそれぞれ異なります。そこで業界の知識がない外部業者に運用を委託してしまうと、何も区別せずに運用されてしまうリスクがあります。下手すると冠婚葬祭のくくりで広告を出されるケースもあるのです。このようなリスクを避け、自分たちが狙う通りに広告を運用するには、専門家と同じレベルの知識が必要です。自社の魅力を最大限に伝えるためにも、必要な業界の知識は最先端のものを常に追いかけるようにしていますね

会員登録無料すると、続きをお読みいただけます

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

次のページ
雑誌を読む片手にはスマホがある~媒体の使われ方の変化

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
  • note
関連リンク
おもてなし業界のデジタルマーケティング最前線連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

松崎 美紗子(編集部)(マツザキ ミサコ)

1995年生まれ。早稲田大学商学部を卒業後、新卒で翔泳社に入社。新入社員として、日々奮闘中です。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2017/12/14 08:00 https://markezine.jp/article/detail/27501

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング