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『MarkeZine』(雑誌)

第107号(2024年11月号)
特集「進むAI活用、その影響とは?」

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【100号特集】24社に聞く、経営構想におけるマーケティング

常識破りの戦略で圧倒的な成長を。「KANDO(感動)ドリブン」で駆け上がっていくトリドールの構想

 「食の感動で、この星を満たせ。」のスローガンを掲げ、“感動”を成長の源泉とした戦略を展開するトリドールホールディングス(以下、トリドール)。主要ブランドの丸亀製麺は2023年4~12月期の事業利益で前年同期比49.3%増を記録するなど、躍進を続けている。トリドールと丸亀製麺でCMOを務める南雲克明氏に、現在の成長モデルを教えてもらった。

※本記事は、2024年4月刊行の『MarkeZine』(雑誌)100号に掲載したものです

【100号特集】24社に聞く、経営構想におけるマーケティング

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─ 常識破りの戦略で圧倒的な成長を。「KANDO(感動)ドリブン」で駆け上がっていくトリドールの構想(本記事)
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経営戦略=ーケティング戦略である

──トリドールの中期経営計画を拝見すると、経営戦略とマーケティング戦略が強く連動していて、両者が統合されていることに驚きます。

 我々の戦略は明確かつシンプルです。感動を創造することで予測不能な成長をしていく、そのために感動の源泉となるEX=従業員のエンゲージメントを高めていくというものです。これがトリドールおよび丸亀製麺の戦略であり、マーケティング戦略でもあります。

 中期経営計画で、トリドールは2028年3月期に売上高4,200億円を達成する目標を発表しています。2023年度の売上高(計画)が約2,300億円ですから、この4年で急激な成長を遂げる必要があるわけです。一般的に考えられるような戦略・戦術を展開しても、安定的な成長しか望めないでしょう。非常識と言われることもありますが、唯一無二の成長曲線を描くために、腹をくくって決断した戦略・戦術を展開し、他社ができないスピードで他社ができないブランド創りをしていく──これを実現するマーケティングモデルも固まりつつあります。

 株式会社トリドールホールディングス 執行役員 兼 CMO KANDOコミュニケーション本部長 兼 丸亀製麺 取締役 マーケティング本部長 南雲 克明(なぐも・かつあき)氏 コナミスポーツ、サザビーリーグ(東京・渋谷)などの事業会社で 様々なブランドのマーケティング責任者を歴任。2018年にトリドー ルHD入社。22年より現職。“感動(KANDO)”を起点に、感 性とデータサイエンス両側面から持続的に選ばれる確率を高める 「感動ドリブンマーケティング」を推進。ビジネスと企業価値をグ ロースさせ続けるマーケティングの革新と拡張に取り組む。
株式会社トリドールホールディングス 執行役員 兼 CMO
KANDOコミュニケーション本部長 兼 丸亀製麺 取締役 マーケティング本部長
南雲 克明(なぐも・かつあき)氏

コナミスポーツ、サザビーリーグ(東京・渋谷)などの事業会社で 様々なブランドのマーケティング責任者を歴任。2018年にトリドー ルHD入社。22年より現職。“感動(KANDO)”を起点に、感 性とデータサイエンス両側面から持続的に選ばれる確率を高める 「感動ドリブンマーケティング」を推進。ビジネスと企業価値をグ ロースさせ続けるマーケティングの革新と拡張に取り組む。

──そのマーケティングモデルについて詳しくお聞かせください。

 感動創造をすべての中心に置き、「EX」「CX」「ブランド」「ソーシャルグッド」の4つを連動的に高めていくというモデルを採用し、これを「丸亀スパイラルモデル」と名付けています。このモデルの起点には、EX(従業員体験)を高められれば、一人ひとりの内発的な動機(やる気・モチベーション)が高まり、それがCX向上に繋がっていくという考えがあります。EXが高まると、離職率が低くなり業務の習熟度が高まるのとともに、感動創造への意欲が高まりCXが向上するというロジックです。これを突き詰めることで、すべてのお店で日々感動体験が増え、丸亀製麺に対するお客様のエンゲージメントやブランド価値が向上していきます。

 現に環境が整いこのモデルが実現できている店舗では、NPSスコアや業績との連動も確認できています。また、業績が向上することで、チームビルディングや社会・地域貢献の活動にもより力を入れられるようになります。EX、CX、ブランド、ソーシャルグッドを統合して成長のスパイラルを起こしていく。そのための社内外に対するコミュニケーションをマーケティングが担います。

 これまでマーケティングでは、広告を中心として、会社の“外”に予算を投下していくことが多かったですが、これからはその対象も“社内”に変えていく必要があります。社外に向けて集客をするだけではもうダメで、働く人のモチベーションを上げるための活動を支援し推進する部分に投資をし、時間とリソース、力の配分を大きく変えつつあります。

──マーケティングモデルを、どのように組織に落とし込んでいるのでしょうか?

 ブランド価値向上のためのブランディングは、ここ数年ずっとマーケティングの本業として取り組みつつ、EX・CX向上に関してはプロジェクトで進める形を採っています。組織内でも独立させ、感動創造とその先にある業績向上へ貢献できるモデルをつくり、それぞれ施策に沿って指標を定め、追いかけている形です。そして、ここでは営業部と協力して、このモデルに基づいた戦略・戦術を行うことが必須となります。

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MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/06/20 10:58 https://markezine.jp/article/detail/45458

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