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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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MarkeZine Day 2025 Retail

【100号特集】24社に聞く、経営構想におけるマーケティング

常識破りの戦略で圧倒的な成長を。「KANDO(感動)ドリブン」で駆け上がっていくトリドールの構想

「人の手から生まれる感動」を伝えるコミュニケーション

──そのモデルに基づいて、戦略・戦術を展開した例はありますか?

 丸亀製麺では技術力向上と教育システムの一環として、2016年から「麺職人制度」を取り入れており、特にこの3年で麺職人の数を約400%増やし麺職人の全店配置の準備をしてきました。2024年3月21日から開始したブランドコミュニケーションでは、国内「すべての店に麺職人が誕生した」というニュースを中心にブランディングをしています。これはブランディングとCX、EXの3つを連動させたコミュニケーションです。

 より具体的に施策をご紹介すると、たとえば、ちょうどこの4月に「ひと口醤油うどん」という「麺そのもののおいしさ」を実感していただくプロモーションイベントを実施します。丸亀製麺の店舗にいらしたお客様全員(店内ご利用のお客様限定)に、釜から揚げた熱々のうどんに醤油をかけてご提供するというイベントで、実施時期にあわせてテレビCMも放映します。釜から揚げたばかりのうどんに醤油を垂らして食べる……これが本当においしいんですよ。皆さん、きっと感動されると思います。

 ただ、逆に言えば、麺のおいしさが試されますよね。ですから、このイベントに向けて「おいしい麺を出そう!」と各店舗一生懸命トレーニングしています。先立って、僕らマーケティング部は5人くらいで全国25エリアを分担し、各地で行われた営業部の会議に参加。このイベントや春のブランドコミュニケーションの内容、目的などを説明して回りました。全国838店舗(2024年2月末時点)と一緒にこの企画を実現するためには、営業部との連携が欠かせません。

──たしかに、EXとCX、ブランド、すべての向上が繋がっていますね。

 はい。何より「丸亀の麺、おいしいね」とお客様に褒めてもらうことが、一番モチベーションにつながるんですよね。さらに丸亀製麺ではその日食べたうどんのおいしさや、店舗体験時の感情や評価をお客様にフィードバックしてもらう「丸亀感動スコア」を導入しており、お客様の感動は店舗ごとに数値化できるようになっているので、定性的な評価に加え、定量的なフィードバックを受けることもできます。

 麺職人を丸亀スパイラルモデルの中核に置くと、丸亀製麺のNPSが上がり、顧客体験価値も上がり、業績も上がる。同時に従業員のエンゲージメントが高まり、離職率が下がる。ゆくゆくは通常営業以外にも「こどもうどん教室」や「キッチンカー支援」などソーシャルグッドの活動もどんどん積極的に展開できる。すべての歯車がうまく回るようになるという仮説を構築しています。

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経営においてマーケティングが果たすべき3つの役割

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MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

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MarkeZine(マーケジン)
2024/06/20 10:58 https://markezine.jp/article/detail/45458

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