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『MarkeZine』(雑誌)

第102号(2024年6月号)
特集「ブランドは気まぐれな消費者とどう向き合うべきか?」

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【100号特集】24社に聞く、経営構想におけるマーケティング

唯一無二の商品で他社との差別化を図る三井住友カード 「老舗なのに新しい」企業イメージを育む

 差別化が難しいとされるカード業界で「Olive フレキシブルペイ」をはじめ、画期的なサービスを生み出し続ける三井住友カード。申し込みのオンライン化が進む中、マーケティングが獲得に与える影響は大きいという。本稿では同社の伊藤亮佑氏を取材し、注力している取り組みや組織力強化のために行っていることをうかがった。

※本記事は、2024年4月刊行の『MarkeZine』(雑誌)100号に掲載したものです

【100号特集】24社に聞く、経営構想におけるマーケティング

「競争」から「共創」へ 日本マーケティング協会の新定義が示す、これからのマーケティングのあり方
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6,200万ユーザーが利用するPayPay、既存ユーザーの推奨とLTV向上で更なる成長を
─ 唯一無二の商品で他社との差別化を図る三井住友カード 「老舗なのに新しい」企業イメージを育む(本記事)
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唯一無二のユニークネスを顧客起点で事業に繋げる富士通、パーパス起点の事業変革×マーケティング
「お金を前へ。人生をもっと前へ。」どこまでもミッションドリブンなマネーフォワードのマーケティング

商品性の差別化で顧客基盤の拡大を目指す

──三井住友カードが中長期的な成長戦略として掲げているテーマをお聞かせください。

 今期の中期経営計画では、前期から引き続き「商品性を差別化して顧客基盤を拡大する」を最重要テーマとして掲げています。

三井住友カード株式会社 マーケティング本部 本部長補佐 伊藤 亮佑(いとう・りょうすけ)氏
三井住友カード株式会社 マーケティング本部 本部長補佐 伊藤 亮佑(いとう・りょうすけ)氏
大手EC、通信キャリアでのWebサービス企画、デジタルマーケティング担当などを経て、2016年に三井住友銀行入行。2018年より三井住友カード兼務。グループキャッシュレス戦略に基づく商品・サービス企画開発、プロモーションなどに従事し、構想当初よりOliveのサービス企画開発プロジェクトに参画。2024年4月より現職。

──お話しいただいたテーマに沿って、マーケティングではどのような戦略を立てていますか?

 一般消費者や法人に向けたクレジットカード/プリペイドカードなどの発行および商品・サービスの提供を行うイシュイング事業では「商品企画」と「コミュニケーション」の2軸でマーケティング戦略を考えています。

 まず商品企画では、お客様起点であることを大切にしています。代表例として挙げられる商品が、ナンバーレス仕様の「三井住友カード(NL)」と、個人のお客様向け総合金融サービス「Olive(オリーブ)」です。

 三井住友カード(NL)は2021年2月に発行された商品で、券面にカード情報が一切印字されていない点が特徴です。海外での利用や支払いの際、カードを預けることに不安を感じる方などから好評をいただいています。保有者は指紋認証などを通してアプリにログインすれば、カード情報を確認することが可能です。

 スマホを使ってECサイトで買い物をするときは、カード番号をアプリで確認し、そのままコピー&ペーストできるため、利便性を感じていただいています。また、対象のコンビニエンスストアや飲食店でタッチ決済を利用したり、SBI証券でカード積み立てをしたりすると、支払い金額への充当や景品交換などに使える「Vポイント」をお得に貯めることができます。

 Oliveは2023年3月からスタートしました。銀行口座、カード決済、ファイナンス、さらには保険、証券などの機能を、アプリ上でシームレスに組み合わせたサービスです。日常的な決済や資産形成・運用など、各種サービスの残高や明細をまとめて管理できる総合金融サービスとなっています。付属するキャッシュカードには決済機能が付いており、アプリを使えば1枚のカードでクレジットカード、デビットカード、ポイント払い(プリペイド)を切り替えることが可能です。Visa社が開発したフレキシブルペイ機能を、世界で初めて搭載しました。

 これまでカード業界は似たような商品が多いとされてきましたが、三井住友カード(NL)やOliveを出したことで、競合と差別化できるようになったと考えています。いずれもお客様に、より便利かつお得にキャッシュレス決済をしていただける商品となっています。

 そしてマーケティングのもう1つの軸である「コミュニケーション」は、このような商品の魅力をお客様に伝えるために行うものです。コミュニケーションを考える際に大切にしているのは、内外のデータを用いてお客様に心地良さを提供すること。これにより、商品の利得性や利便性を打ち出す際、お客様の心に刺さりやすくなると感じています。

──全社の中でマーケティング組織が果たす役割、経営(事業)活動においてマーケティングがもたらす価値について、伊藤さんはどのように考えていますか?

 オンライン経由の申し込みが増える中、マーケティング組織は獲得にダイレクトに寄与している存在だと考えます。また「世界初」「最先端」などの特徴を備えたサービスの認知が広まるにつれ、当社に対する世間のイメージが変わり、営業の現場にもプラスの影響を与えているようです。これまでは当社に対して「メガバンクであるSMBCグループの一社」「老舗」などのイメージを持つ取引先が多かったのですが、最近では「三井住友カードなら何か新しいことを提案してくれるのでは」という期待感を持つ企業様が増えてきたと聞いています。

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この記事の著者

和泉 ゆかり(イズミ ユカリ)

 IT企業にてWebマーケティング・人事業務に従事した後、独立。現在はビジネスパーソン向けの媒体で、ライティング・編集を手がける。得意領域は、テクノロジーや広告、働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/06/20 10:47 https://markezine.jp/article/detail/45480

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