アジャイル型の導入で組織強化を図る
──ここからはマーケティング組織の強化についてうかがいます。人材不足は多くの企業で顕在化している課題です。マーケティング組織・人材の育成や強化についても、中長期的に取り組んでいることがあればお聞かせください。
2年ほど前から、マーケティング本部ではアジャイル組織化を試験的に始めています。マーケティング本部長の下、目的やKPIに応じたスクワッド(10人ほどのチーム)を形成し、各スクワッドではPO(プロダクトオーナー)たちが部長権限を持って目標達成を目指します。中間管理職を挟まない平たい組織のため、フレキシブルな運営が可能です。

──メンバーが自身の追っている目標にフォーカスできるほか、マーケティングの力量やスキルも養われていきそうですね。
POには30代前半の若手メンバーも登用しているため、モチベーションアップや組織の活性化にもつながっています。もちろん報酬にも反映しています。当社は5年ほど前から中途採用にも力を入れているのですが、このような制度は候補者にとっても魅力的で、採用面にもポジティブな影響をもたらしているようです。
組織強化の文脈ではOliveの運営体制が特徴的だと思います。Oliveは口座とカードが一体になった商品であるため、三井住友銀行のメンバーも当社のスクワッドに加わり、グループ一丸となって共同で運営する体制をとっているのです。
スクワッドに配属された新人は、プロパー社員や中途入社社員など、様々なスキルと経験を持つメンバーから仕事を学ぶことができます。
──最後に、現在掲げている目標や今後の展望についてお聞かせください。
Oliveを軸に新たな商品を展開していく予定です。2024年2月でOliveのアカウント数は200 万を突破しました。サービスリリースから1年に満たない時点での数字です。「5年で1,200万アカウント」を目標として掲げているため、お客様からいただいた声をもとに大幅なアップデートも実施しながら、今後も便利でお得なサービスを追加していきたいです。
Oliveの提携先を拡大することで、フレキシブルペイの対応カードを増やし、将来的にはすべてのカードを1枚に集約したいと考えています。決済は多くの事業者が関わる分野ですから、非金融業界を含めた他社との協業も進めていく予定です。
