テレビドラマの新たな楽しみ方「ビンジ・ウォッチング」
ストリーミングサービスでテレビを視聴する時代には、テレビドラマの楽しみ方も変化している。以前は毎週決まった時間に1話ずつしか視聴できなかったテレビドラマは、ストリーミングサービスで何話もまとめて好きな時間にビンジ・ウォッチング(連続ドラマなどを一気に見ること)できるようになった。
Deloitteの調査によると、73%のアメリカ人が「ビンジ・ウォッチングをしたことがある」と答えた。ミレニアル世代とZ世代に限ると、この割合は90%に高まる。このうち40%は毎週ビンジ・ウォッチングを楽しんでおり、1回の視聴で平均6エピソード、約5時間を費やすという。
若者の間ではテレビドラマをいかに早く見終わるかを競争する傾向さえ見られ、ドラマのリリースから24時間以内に1シーズン分を見終わる視聴者は「ビンジ・レーサー」と呼ばれる。Netflixのユーザー調査(2017年10月)によると、ビンジ・レーサーの数は2017年9月、全世界で500万人に上り、2013年時点の20万人から急増した。ビンジ・レーサーの人数で上位5カ国はカナダ、アメリカ、デンマーク、フィンランド、ノルウェーと、北米と北欧が占めている。
また、ビンジ・レーサーが多かったテレビドラマでは、「ギルモア・ガールズ:イヤー・イン・ライフ」「フラーハウス」「マーヴェルズ・ザ・ディフェンダーズ」がトップ3に挙がった。

(写真:http://www.imdb.com)
従来のケーブル・衛星テレビを取り巻く環境は厳しく、価格が安くてコンテンツが充実しているストリーミングサービスにシェアを奪われている状況。米市場調査会社のeMarketerは、アメリカ人が有料テレビに費やす費用の2017年予測を10億ドル下方修正した(参照リリース)。
ミレニアルの次に来る「Z世代」は生まれたときからネットがある世代で、「スマホなしには生きられない」と言っても過言ではない。バンク・オブ・アメリカが2017年8月に行った調査では、Z世代の5人に4人が「スマホがネットに接続されているなら、テレビをあきらめてもいい」と回答したほか、約30%のZ世代が「お金や友達を捨ててもスマホをキープしたい」とまで答えているという(参照サイト)。
Z世代が就業年齢に達するころには、通勤時のビンジ・ビンジウォッチングがますます日常の風景になっているに違いない。