レコメンドエンジンでフラウド対策をプッシュ通知
続いて、CTOであるダン・コーク氏に、アドフラウドや位置情報ソリューションについてのトピックを聞いた。
――TUNEのアドフラウド対策について、他社のプロダクトと差別化しているポイントを教えてください。
コーク:我々のアドフラウド対策ソリューションには大きく分けて二つの特徴があります。
一つ目は、フラウドになりそうなトラフィックを、キャンペーン・パブリッシャー・地域・時間帯など様々なレベルで検出できるので、的確に疑わしいトラフィックを特定して、透明性を持ってアドパートナーと対策を練ることができることです。
二つ目は、アドフラウドに対してプロアクティブに対応できることです。どのトラフィックがアドフラウドなのかを検出し、レコメンドエンジンの仕組みで自動的に対策をリコメンドするので、マーケターの負担が大きく減ります。マーケターはスプレッドシートとにらめっこして、どれがアドフラウドらしいかを調べなくてよくなったのです。
――今後アドフラウド対策をどのように発展させていくおつもりですか。
コーク:マーケターがより簡単にアドフラウドに気付けるようにしていきたいと考えています。たとえば、プッシュ通知でアドフラウドやフラウド検出ルールを知らせたりリコメンドする機能を強化していきます。
アドフラウド対策の範囲を拡大することにも取り組んでいきます。モバイル広告にとどまらず、メール広告・Web広告・プッシュ通知・TV広告についてもアドフラウドを検出できるようにしていきたいのです。かつ、全ての広告媒体でのリーチを一つのユーザープロファイルにひもづけられるようにデータベースのテクノロジーを開発していきます。
位置情報活用し、来店情報でキャンペーン最適化
――位置情報マーケティングについてもお聞かせください。
コーク:位置情報はモバイル業界にとって非常に興味深いテーマです。TUNEがSmartwhereと協業して提供する位置情報ソリューションは、某大手食品スーパーで導入事例があります。
ユーザーがどういう経路でお店に入ってきたのかがわかるようになっており、アプリ内通知を最適なタイミングで行えるようになっています。位置情報を取得するためのテクノロジーとしては、ビーコン・GPS・WiFi・Bluetooth・地磁気などを組み合わせています。
――TUNEとSmartwhereはどのようにしてシナジーを生み出しているのでしょうか。
コーク:両社ともシアトルに本社があり、オフィス同士歩いて5分程度のご近所さんなんです。TUNEのビル内にSmartwhereのメンバーの席があり、チームとして一緒に働いています。SDKを連携させて、TUNEのモバイル計測技術とSmartwhereの位置計測技術を組み合わせています。
――モバイルアプリマーケティングに位置情報が加わり、どのような効果が見込めるのでしょうか。
コーク:第一に、「ふさわしい人に最適な情報を、理想的な場所・時間で」配信できるようになります。第二に、小売業からすれば、店舗の内外を問わずにリアル行動をトラッキングできるのは魅力的です。どのキャンペーンによってアプリをインストールした顧客が来店行動をとりやすいかが分かりますし、具体的にどの店を訪れたかもわかりますから。
