コンバージョン以降のアクション施策を考察へ
――広告主も当然、売上やROASまで一気通貫した運用ができないことは課題だったと思います。機能を提供し始めて、具体的にどんな手応えがありましたか?
大島:まず、本当にクライアントの望む方向での提案ができるようになりました。クライアントの視点をより共有できた実感がありますね。また、課金が多いメディアを訪れるユーザー属性を確認して、若い人が多いならクリエイティブの方向性を変えるなど、次のアクションにつなげやすくなりました。
加えて、今まで「Webユーザーのほうが課金額が高い」と推測していたものが、実際に数値でも確認できました。業種を問わずマルチコンバージョンでROASを計測している案件のデータをまとめた所、獲得ユーザーの課金総額における構成比は、アプリが15%ほどに留まりますが、ゲームに限ると41.3%とぐっと高まります。こうした数値も、次にWebでどんな施策を打つべきかなど、深い議論をする材料になります。同時に、属人的な知見に基づく運用にならざるを得なかった部分の標準化にも役立っています。
河本:ゲーム会社だと、KPIが必ずしもCVRやCPAではなくDAUなどの場合もあります。それも可視化できるようになったので、より効果が見込める広告につながっていると思います。
――業界や企業独自の指標も取れるわけですね。
大島:はい。さらに、これは開発後に発見した利点ですが、コンバージョンがすごく多いのにその後のユーザーのゲーム起動率や課金額などが著しく低い場合、アドフラウドの可能性も考えられます。なので、アドフラウド対策としても使えるようになりました。
CPAにこだわりすぎないことが重要
――マルチコンバージョン機能を最大限に活用するポイントはありますか?
大島:広告主の視点でもメディアの視点でも、CPAにこだわりすぎないことが重要だと思います。売上が上がっているなら、それに見合う評価を考えてCPAを上げることで一層の新規ユーザーを取り込めるので、俯瞰的に判断していただくことが大事ですね。
河本:i-mobileは元々、キャンペーン全体ではなく掲載メディアや掲載枠単位で目標CPAなどを設定できるという、細かいコントロールできる点が特長です。
――他の機能と連携して、さらに効果を引き上げられそうですね。では、今後注力していくことなどを教えてください。
大島:アドネットワーク事業者として、広告主向けの話が先行してきましたが、今後はメディアへの収益還元という視点もより強化して、課金が上がりやすいメディアや広告主にとって効果の高いメディアをしっかり評価していくことを進めていきたいです。また、課金額以外にも広告主ごとの効果指標を柔軟に組み込んで、よりニーズに応えられるようにしていきます。
河本:技術的には、現状で実装しているCPAとROASに対する最適化機能に加えて、他のKPIに対する最適化もできるようにしていきます。将来的には、人が細かい運用をしなくても一連を自動で広告効果を最大化するようにできればと思っています。
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