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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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SNS起点で生まれるマーケティングトレンド

大型オウンドメディア終了のワケとは? SNS時代の最新オウンドメディア戦略

今後のオウンドメディアのあり方とは?

 こうした背景から、最近取り組まれるようになってきたのが、ソーシャルメディアとWebサイトをハイブリッドに設計した“分散エンゲージメント型”オウンドメディア施策です。

 この施策の特徴は、「ソーシャルメディア上でコンテンツを流通させる」ことに主軸を置いている点にあります。Webサイトでの“囲い込み”型の場合には、ユーザーに何度もサイトに訪れてもらうことが必要です。それに対して、分散エンゲージメント型の場合、コンテンツは基本的にすべてソーシャルメディア上に流通させます。

 ユーザーが自らシェア拡散したくなる(語りたくなる)コンテンツを提供することで、ソーシャルメディア上で企業の話題が自然とターゲットに届くことを目指すのです。

 コンテンツを通じて、企業やブランドに対する好意や共感を醸成し、その後、企業やブランドのSNSアカウントをフォローしてもらうことで生活者と継続的なつながりを作っていきます。

 最終的には、それらコンテンツによって商品への好意が高まったユーザーをサイトへ誘導するなどして、商品情報を提供します。こうすることで従来型のオウンドメディア運用コストを削減できるというメリットも享受できます。

トリプルメディアの役割を融合

 企業のメディア戦略としてよく使われる「トリプルメディア」という考え方があります。

 「トリプルメディア」は、企業自身が運営するメディアである「オウンドメディア」、ソーシャルメディアやブログなどユーザーが情報発信するメディアを指す「アーンドメディア」、出稿料を払う広告媒体を指す「ペイドメディア」の3つのカテゴリで整理されます。企業ではこれまで施策の目的に合わせて、これら3つのメディアをそれぞれ独立させて利用することが一般的でした。

 しかし、3つのメディアを個別に運用することは効率が悪く、余計なコストの発生にもつながりかねません。この3つのメディアの役割を融合させたのが分散エンゲージメント型のコミュニケーションで、2017年時点では効率の良い企業のメディア施策の一つといえます。

 これまで企業のオウンドメディアに格納されていたコンテンツは、今後、生活者自身にソーシャルメディア上で“語られる”ことで、企業の情報を効率よく効果的に生活者に広げる役割を担っていくと考えられます。

 ここで大切なのは、やはりユーザーが知りたくなる情報、ユーザーが“語りたくなる”情報を発信していくということ。それが企業と生活者との関係構築の近道となります。

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この記事の著者

物延 秀(モノノベシュウ)

スパイスボックス 副社長。2006年スパイスボックス入社。プロデューサーとして大手企業のデジタル・コミュニケーションをワンストップで支援し、2012年以降はソーシャルメディアを中心とした「共感」と「話題」を生むコンテンツのプランニングとプロデュース、自社ソリューション開発を統括。2016年に事業統括責任者および執行役員に就任。2017年より現職。自社サービス:インフルエンサーマーケティング支援「TELLER」、コンテンツマーケティング支援「BRAND SHARE」、ROI分析プラットフォーム「THINK」、自社メディア:「newStory」自著:『新ヒットの方程式』~ソーシャルメディア時代は、「モノ」を売るな「共感」を売れ!~(宝島社)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2017/12/18 09:00 https://markezine.jp/article/detail/27599

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