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クックパッド流で動画でも圧倒的ナンバーワンを目指す 同社CEO岩田氏が今後10年の成長戦略を語る

既存のスタイルとは異なる、ユーザー自身が動画を作成する仕組み

 料理動画への本格参入に際して、岩田氏は「料理動画数ナンバーワン、広告事業でナンバーワン、ユーザー課金でもナンバーワンクックパッドのユーザー数を活かして、長期的に圧倒的ナンバーワンの動画事業を確立させていく」と語る。

「cookpad studio(クックパッド スタジオ)」第1号店(代官山)
「cookpad studio(クックパッド スタジオ)」第1号店(代官山)

 まず広告に関しては、同社のブランド力とコンテンツ力で事業化を目指すという。またユーザー課金は、同社が得意とする分野であり、同社ならではのやり方で注力したいと話した。

 そして料理動画数の増加に向けて同社は、既に具体的な動きを見せている。現在流れている料理動画は「cookpadTV_Facebook」や同社以外のコンテンツも含め、事業者が作成した動画である。しかしクックパッドは、投稿者自身が動画を作成するスタイルを広めていくという。これはユーザー数の強みを発揮する施策だ。

 具体的には、初心者でも動画の撮影・編集が簡単にできるスタジオを無料開放し、コンテンツの作成と投稿を促していく。12月10日に、第1号のスタジオが代官山にオープンしたが、これを皮切りとして2018年度末までに5拠点の展開を予定しているそうだ。スタジオで作成した動画は、クックパッドはもちろんSNSなどへも投稿可能だ。

オフラインでの動画配信で、対象商品の売り上げが急増

 もうひとつ、動画事業でスタートしている施策が「cookpad storeTV(クックパッドストアティービー)」だ。先述した通り「クックパッド」は買い物前後に検索数が急上昇することから、「クックパッド」のレシピを見て何を買うか決める、というユーザーの行動が推測できる。このサービス特性を強みに展開した施策である。

 サービスの概要は、同社が独自開発したタブレット型のサイネージを全国のGMS・SMの売り場に設置。来店してもなお“今日何を作るか”決められていない消費者に対し、料理動画を通して課題解決を行うというものだ。企業とタイアップした動画コンテンツを用意し、広告事業も展開する。岩田氏は「cookpad storeTV」の今後の可能性について、次のように述べた。

 「8月以降トライアルを実施してきましたが、その結果、動画の対象商品の売り上げが劇的に伸びることが証明されました。『cookpad storeTV』は、弊社で配信するシステムになっていますので、店舗のチェーンや地域、売り場ごとに限定配信することができます。我々はこのサービスは、テレビなどと並行する新しいメディアとなりうると考えています。今後、全国5,000店舗まで一気に展開を進めていきます」(岩田氏)

店頭での動画配信イメージ
店頭での動画配信イメージ

 これまでも売り場のサイネージサービスは存在していたが、売り場での人的コストや手間などが大きいことから、なかなか有効活用には至らなかったという。今回同社が展開するサイネージは、コンテンツの作成や管理、配信などのすべてを同社で行う。売り場はサイネージを設置するのみで、同社としては「動画を配信する場所を提供してもらう」というスタンスで取り組むという。

 売り場と連動したコンテンツを提供することで、売り場にとってもメリットが期待できることから「消費者も、売り場も、広告主も、みんなハッピーになれるサービス」だと話した。

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料理動画が流行の現状は、大歓迎

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この記事の著者

松崎 美紗子(編集部)(マツザキ ミサコ)

1995年生まれ。早稲田大学商学部を卒業後、新卒で翔泳社に入社。新入社員として、日々奮闘中です。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2017/12/12 09:00 https://markezine.jp/article/detail/27602

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