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購買意欲を刺激する行動ターゲティングLPO


従来の最適化ツールにおける課題 

 リスティングを実施する際に成約数を高める手段としてLPO(ランディングページ最適化)があります。これまでLPOとは、リスティングから流入するランディングページの直帰率(そのまま退出する数)を軽減する目的で利用されています。LPOツールでは、その殆どが、A/Bテスト【注2】や多変量解析【注3】などの数学的手法を用いて、ランダムに表示する複数の着地ページをある一定期間内で比較し、コンバージョン率が一番高いページを着地ページとして選択します。

LPOツールの仕組みと課題

 しかし、ユーザが、1回の広告流入でそのまま直接成約まで至る割合は一般的に5%未満であるため、95%近くのユーザは、ランディングページから直帰するか、もしくは途中で離脱する傾向にあります。これは、ネットユーザ特有の行動パターンによるためです。

 当然ですが、直帰ユーザや離脱ユーザが再訪問する際に前回と同じ広告で流入するとは限りません。また、再訪問時に自然キーワード(SEO)でサイト流入した場合には、ランディングページとは異なるページ(商品トップや本サイトトップページ)に流入します。

 このため、従来のLPOツールでは、ユーザの行動パターンに対応することが困難である。LPOツールは、新規訪問者に対するアプローチ手法(5%以下の顧客を獲得する)としては優れていますが、ウェブ担当者にとってより重要な、「潜在客・見込客が含まれる95%のリピート訪問者をいかにして成約にまで結び付けることができるか」という課題には適していないと言えます。

 今、ウェブ担当者が求めているのは、ネットユーザが繰り返し再訪問する流入ページをユーザひとり一人の興味・関心に適した内容にダイナミックに最適化でき、訴求効果を高める仕組みです。つまり、『行動ターゲティングLPO』です。アクティブコアでは、行動ターゲティング・エンジンを利用してこれを実現しています。

ユーザの行動履歴に基づいた最適化

 次回は、行動ターゲティングLPOの仕組みとターゲット顧客を抽出する方法を解説していきます。

【注2】A/Bテスト:ランダムに表示する複数ページ(クリエイティブ)を比較してよりコンバージョン率が高いページ(クリエイティブ)を選択する手法広告やコンテンツの費用対効果を把握する代表的な分析手法。通常、コンバージョン分析は、総クリック数に占める獲得数の割合を算出し、総クリックからの獲得率(コンバージョン率)に基づいて評価を行う分析手法であり、多くの企業で広告効果検証として利用されている。

【注3】多変量解析:画像やテキスト、ボタンやヘッダーなどページの構成要素をランダムに入れ替えながら表示し、どの構成要素の組み合わせが最も効果的なのかをテストし、最適な組み合わせを見つけ出す手法。

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この記事の著者

羽柴 秀彦(ハシバヒデヒコ)

米国ジョージア州立大学 経営管理学/マーケティング工学科(学士号)卒。2005年2月アクティブコアを共同で設立。アクティブコアでは、インタラクティブ・マーケティング分野の事業戦略の全般に携わる。現在は、ユーザ行動の変化に応じて的確なコンテンツと広告媒体を配信するサービスプラットフォームの企画・開発に従事する...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2008/02/22 19:36 https://markezine.jp/article/detail/2760

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