SNS時代に求められるのは「語られる」コンテンツ
1冊目に紹介するのは、MarkeZineでも連載を持っているスパイスボックスの物延秀氏が執筆した『新ヒットの方程式』です。
同書籍では、SNS時代にヒットした多くのコンテンツ事例を紹介し、それらがなぜヒットしているのかをSNS分析をもとに解説。具体的には、映画『君の名は』、日清食品「どん兵衛」のプロモーションなど、近年話題になったコンテンツとなっています。
同書で得られる知見は、マスからデジタル、どのチャネルにおいても活用できます。事例もデジタルだけでなく、TVCMなども含まれており、様々な領域の担当者に役立ちます。
その他にも、「SNS映え」「インフルエンサーマーケティング」「クラウドファンディング」といった言葉に関しても言及されており、GoogleやFacebook、Tencentが今後コミュニケーションをどのように変えていくかなど、同書を読むことで最近のSNS周りのトレンドは押さえられると思います。
炎上から逃げるのではなく、適切に対応するために読みたい1冊
続いてのおすすめ書籍は、『炎上に負けないクチコミ活用マーケティング』です。本書籍は、クチコミマーケティングの業界団体「クチコミマーケティング協議会(WOMJ)」の専門委員会で、同手法の技術的側面や効果測定に関する研究を行うWOMJメソッド委員会が編著に関わっています。
SNS上で話題化したいと思う反面、「炎上したらどうしよう……」という不安もセットで付いてきます。企業や自治体の中には炎上したコンテンツはすぐに取り下げ謝罪することもあります。しかし、そのような逃げの対応にならないよう、ブランドイメージを向上させる、SNS上で話題になる、商品が売れるクチコミの創出方法が同書では語られています。
特に第五章の「インターネット時代におけるクチコミマーケティングの構造」はおすすめです。クチコミとは何かと言われると漠然としてしまいますが、同章ではクチコミの分類をした上で、クチコミを創出する仕組みとして「アンバサダー・プログラム」を紹介。同書にも「あくまで一つの方法論」と記載されていますが、クチコミを自然発生的でなく、企業が消費者を喚起してクチコミを発生させるヒントが得られるのは確かです。
『新ヒットの方程式』とあわせて読むことで、クチコミが多く発生するプラットフォームであるSNSの理解がより深まり、コンテンツと仕組みの両方で話題化を狙うためのノウハウが得られると思います。2冊合わせて読んでも年末年始のお休みで読めるボリュームになっているので、ぜひ読んでみてはいかがでしょうか。