DMとイベントは「アナログtoアナログ」で好相性
――メールとDMの相乗効果や、丁寧さを演出できるDMの特性などについては前回記事でお話しいただいたので割愛しますが、前回になかった点として、まずDMの回覧性というのは興味深い点です。鈴木さん、いかがですか?
鈴木:今回はBtoBの事例なので、自分の都合がつかなくなった場合に同僚や部下が参加することは十分考えられると思いますが、実際にBtoCでもDMが家族などに回覧されるケースは珍しくなく、母親と子どものイベント参加を狙って父親宛に送ることもよくあります。
肌感覚ですが、メールだと転送しても流されてしまいがちでも、紙のDMというモノがあることで“来場”という確実なアクションを促せているのだと思います。
――鈴木さんはDMの効果を「心のシャッターを開ける」と表現されています。実際、今回も純粋なDMによるリフトアップが25%あったわけですし、DMの印象が深いから、自分が参加できない場合もDMを周囲に手渡す行為が行われているのかもしれませんね。
鈴木:そう考えています。特にイベント参加のような、アクションのアウトプットがアナログな場合、間の申し込みはWebでも、DMから最終アクションはアナログtoアナログになる。その点は、相性がいいと思います。
五十嵐:今回のイベントの無断キャンセル率までは追えていないのですが、紙で届くほうが、キャンセルしにくいのではないかという印象はありました。メールで招待を受けて、デジタルtoデジタルで申し込んだだけだと、行けなくなってもそのままにされがちな気がします。
DMを送った人の関心度合いの検証を視野に
――今回は、あくまでイベント参加を直接的な目的として設計されていたので、実験の評価という意味では余談になりますが、実際に今、イベントを機にアポイントを取って商談を進められている中で、DMについての反響はありますか?
五十嵐:はい。クライアントへお伺いしている担当者の話では、DMが話題に上ることも何件かあると聞いています。送付したのは昨年の年末、かなり忙しい時期だと思うので、それでも記憶に残っているのは大きいですね。
ご指摘のようにデマンドジェネレーションを主眼とした設計上、その後の商談化といったイベント参加後のリードナーチャリングに対する貢献については可能性ベースの話が多くなってしまいます。そこは今後、挑戦したい点ですね。
先ほどお話ししたアンケート回答率やアポイント希望件数のほかにも、初参加の方が多かったり、前年は基調講演だけで帰る人が目立っていたのが、今回は最後まで残っていただいた方が多かったりといったプラスの事象もあったので、そのあたりとDMの関係を設計に盛り込めるようにできればと思います。
――今回のイベントに関して、今フィードバックを進めている点などは?
五十嵐:イベント参加者に、今回のイベント資料のダウンロードページをご案内しているので、そこでダウンロードした人がDMを送った人かどうかの付け合わせはできそうです。Marketoと連動しているので、他にも追いかけられる点はあると思います。
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