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広告会社は担当者のスキル任せから抜け出せるか?トランスコスモスとヤフーが考案した「広告運用の仕様書」

コンバージョン数は平均24%UP! 標準化により運用品質が向上

――「SSアカウント診断書」を考案し、トランスコスモス社内で導入したことで、どのような変化がありましたか?

磯島:やはり、広告の運用品質が向上されたことが大きな変化でしょう。たとえば、5つの指標の中に「Uクリエイティブ率」という項目があります。これは、検索されたキーワードに対して適切な広告を表示できているかを測る指標です。

 極端な例ですが、「ハンバーグ」「エビフライ」という2つの検索キーワードの両方に「ハンバーグ」の広告を表示しても意味がないですよね。ハンバーグにはハンバーグ、エビフライにはエビフライの広告を表示する必要があります。

 そして、そのためには広告のクリエイティブを一つひとつ精緻に変えなければいけません。これまでもプランナーに広告クリエイティブを綿密化するように指導していましたが、プランナーそれぞれで運用への考え方やフローが違うこともあり、どうしても個人差が出てしまうという課題がありました

 ですが「SSアカウント診断書」で五角形のグラフに表すと、各々五角形が綺麗な形になるように取り組むようになりました。これは、Uクリエイティブ率が100%になるよう改善したら、弊社の運用アカウントでコンバージョン数が平均24%アップしたという事実があるように、5つの指標に基づいて運用することで成果向上に結びつくことをプランナーが実感できているからでしょう。

広告運用の現場でも進む自動化

――「SSアカウント診断書」を導入・活用されて、媒体社であるヤフー、広告会社のトランスコスモス、そして広告主にそれぞれにはどのようなメリットがありましたか?

小椋:弊社の事例では、広告主が特に重視する獲得率が1.25~1.5倍に大きく改善したケースがありました。ですが、実はこのツールが目指すゴールは、広告運用の改善だけではありません。

 「SSアカウント診断書」を活用したことで、理想的な広告構成が明確になったほか、改善施策で何をすべきなのかも明らかになりました。これにより、プランナーの仕事はとても効率化されています

 広告の運用や最適化は、現在急ピッチで自動化が進んでいます。自動化により効率化やコスト削減が実現しますが、やはり機械ではなく人間にしかできないこともありますよね。クリエイティブなどは、その最たるものです。

 今後は、広告運用の効率化・自動化を進めると同時に、プランナーのスキルやノウハウが必要な部分に時間を使うことで、広告運用の質と量の両方を向上させていきたいと考えています。「SSアカウント診断書」は、その構造を作る時の柱になるものです。

磯島:広告主にとっては、施策の目的がわかりやすくなったというメリットもあります。五角形のグラフを提示できるようになったことで、効果が現れるポイントや定量的なゴールラインが明確化され、共通認識を持ちやすくなりました。たとえば「2~3ヵ月の期間をかけて、この指標をここまで高めていきましょう」というように、目的や目標、かける期間をより深く広告主と共有できるようになりました。

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職人肌の運用担当者は、ツールの導入に抵抗しなかったのか?

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この記事の著者

浦野 孝嗣(ウラノ コウジ)

 2002年からフリーランス。得意分野は経済全般のほかIT、金融、企業の経営戦略、CSRなど。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2018/03/29 10:00 https://markezine.jp/article/detail/28050

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