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「コミュニティはコモディティ化しない」リアルとデジタルを掛け合わせた最新ロイヤルティマーケ事例

改めて問われる「リアルイベント」の価値

 こうした背景からデジタルマーケティング一辺倒のやり方に行き詰まりを見せる中でリアルイベントへの関心度が高まっていると、叶内氏は続ける。

 「『販促会議』の調査結果でも、注力したいプロモーション活動について37.5%が『ソーシャルメディア広告』と回答しているのに続いて28.10%が『リアルイベント』と答えています。潜在顧客を巻きこんでいけるような『ファンづくり』を課題ととらえている企業が増えています」(叶内氏)

 コミュニティを活性化していくにはイベントの企画・実施が有力な施策の1つになるが、そこには課題もあるという。「予算やリソースの確保に加えて膨大な手間や労力がかかるので、何度も実施できないという課題があります。また、イベントを実施した直後は高い満足感ですが、その結果や成果を測る明確な指標がないのでKPIの設定が難しい。それが多くの企業にとっての課題ではないでしょうか」(叶内氏)

 そこで登場するのが、イベントログの活用だ。企業・団体はイベントを一過性のマーケティング、プロモーション手法とするのではなくイベントログを発信することでファンづくりとコミュニティの活性化という一石二鳥以上の効果が期待できるのだという。

ログしないなんてもったいない!

 イベントを実施するだけでなく、その内容をログ化して新たな情報発信コンテンツとして活用する。そのノウハウは既に多くのIT企業が先鞭となって活用されているマーケティング手法だと叶内氏は言う。

 「いわゆる『ユーザー会』というものですが、アマゾンやセールスフォース・ドットコム、サイボウズなどがケーススタディになります。ユーザー会に参加したメンバーは当然イベントログで再体験しますし、その共感や感動をSNSで発信します。そこから、参加できなかったユーザーや興味・関心のある人たちへと拡散・波及していく効果が期待できます」(叶内氏)

 企業や団体がイベントを実施するだけでなく、イベントログを発信するメリットは大きい。イベントログの作成と発信はログミーのような企業が手がけるので、あらためてリソースを確保するなどの手間や労力は必要ない。この試みを続けていくことで、コミュニティが活性化するだけでなく拡大していく効果も期待できる。

 「デジタルには膨大な情報があふれかえっている状態で、多くのユーザーが疲弊しています。一方で、ユーザー自身は感銘を受けた、感動したものは積極的に共有していきたいという意欲をもっています。この行動原理をちゃんと理解し、イベントの実施とログの発信を行うことでファンづくりやコミュニティの拡大を実現できます。繰り返しになりますがコミュニティはコモディティ化しないのです」(叶内氏)

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ロイヤルカスタマー像をデジタルと掛け合わせる

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この記事の著者

浦野 孝嗣(ウラノ コウジ)

 2002年からフリーランス。得意分野は経済全般のほかIT、金融、企業の経営戦略、CSRなど。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2018/05/08 11:00 https://markezine.jp/article/detail/28153

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