SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

おすすめのウェビナー

マーケティングは“経営ごと” に。業界キーパーソンへの独自取材、注目テーマやトレンドを解説する特集など、オリジナルの最新マーケティング情報を毎月お届け。

定期誌「MarkeZine」

第77号(2022年5月号)
特集「デジタルで進化するテレビマーケティング」

定期誌購読者なら
誌面がウェブでも読めます

定期誌『MarkeZine』米国最新事情レポート『BICP MAD MAN Report』

ライブコマースの本流と本質

 米国やグローバルにおける広告・マーケティング業界の最新情報をまとめたデジタルインテリジェンス発行の『DI. MAD MAN Report』。そのカットアップ版をお届けする本連載。今回は日本でも話題のライブコマースの本質を、中国アリババの動きから読み解く。

※本記事は、2018年4月25日刊行の定期誌『MarkeZine』28号に掲載したものです。

ファッション業界のエコシステムの変化

 米国では毎年2・9月の年2回、ニューヨーク・ファッション・ウィーク(NYFW)が開催される。かつてはファッションブランドの一大マーケティングの場として機能していたが、長らく冠スポンサーを務めていたメルセデス・ベンツをはじめ、参加を辞退するブランドが続々と増え、その地位は揺らぎつつある。

 その一方で、中国アリババ傘下の「Tモール(天猫)」がNYFWのスポンサーとして2017年9月から参加している。Tモールは中国最大規模の越境EC専門のモールであり、2017年11月11日の「独身の日」には1日で約2.8兆円を売り上げて大きな話題となった。アリババ創業者兼会長であるジャック・マー氏の目標は、グローバルで20億人へのリーチだ。単なる冠スポンサーであったメルセデス・ベンツとは違い、アリババは実利とビジネスモデルをもってNYFWのエコシステムに変化を突き付けている

 ファッションにおけるオンライン上での情報流通スピードは加速している。今やショーでのランウェイで発表されたばかりのファッションは、高額の「ペイド」費により最前列に招待されたモデルやセレブリティが「インフルエンサー」と化し、ソーシャルを通じてミレニアル世代の消費者に伝えていく。

 ソーシャル全盛になる以前は、ブランド企業はランウェイに、ビヨンセのようなハイセレブリティを招待し、そのコネクション度合いを披露することが注目を浴びる要素だった。それが今では、ショーの最前列の席には、ファッション・インフルエンサー(インスタグラマー)たちが割り込んでいる

 今やファッションブランド側は、巨大予算を投じてNYFWに出展・参加してセレブを招待するような旧来のPRでは、ミレニアル世代の消費者に対するインパクトが薄いことは(若手)デザイナー自身が熟知している。むしろNYFWに参加せずに個展(イベント)を開催し、インフルエンサーを招待して即売ができれば、コストパフォーマンスからみて効率がよい。ファッション雑誌を中心とした情報流通メディアと、百貨店を中心とした小売・流通のパワーの落ち込みへの対抗策とも言える。

 さらにはショーで発表されたファッションは6ヵ月のタイムラグを経て店頭に並べられるのが一般的だったが、ファッションブランドはコレクション発表時の「即売」に目を向け、2015年頃に「See-Now, Buy-Now(今、見て、今、買う)」販売モデルが登場した。このD2C(Direct to Consumer)販路に、トミー・ヒルフィガーやラルフ・ローレン、バーバリー等の有名ブランドが2016年頃から一斉にシフトし始め、パニックのようなブームとなった。日本でも「東京ガールズコレクション」で既にこの販売モデルが採用されている。

 「See-Now, Buy-Now」の焦点は「即売」だ。しかし、実際に消費者のオンライン心理に合わせて即売を実現するために、プロダクトの出荷スケジュールを早めることは簡単ではない。レガシーブランドの既存生産ラインと物流機能は海外に依存しており、そのままでは対応しきれないことから、米国ではそのブームは落ち着いたように見えた。

 ところがその一方、アリババは世界最大のセールの日である「独身の日」の直前に行われる世界的な中国でのファッションショー「2017年See-Now, Buy-Now」に、NYFWのデザイナーを招聘したのだ。つまりニューヨークから「ファッションショーのランウェイが、製造ラインと販売チャネルのある中国に移動した」イメージだ。

本コラムはデジタルインテリジェンス発行の『DI. MAD MAN Report』の一部を再編集して掲載しています。本編ご購読希望の方は、こちらをご覧ください。

この記事はプレミアム記事(有料)です。
法人向け購読はこちら 個人向け購読はこちら

定期誌『MarkeZine』購読者の方はこちらから電子版(誌面)を閲覧できます。

次のページ
ライブコマースの本流と本質

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
  • note
関連リンク
定期誌『MarkeZine』米国最新事情レポート『BICP MAD MAN Report』連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

榮枝 洋文(サカエダ ヒロフミ)

株式会社ベストインクラスプロデューサーズ(BICP)/ニューヨークオフィス代表 英WPPグループ傘下にて日本の広告会社の中国・香港、そして米国法人CFO兼副社長の後、株式会社デジタルインテリジェンス取締役を経て現職。海外経営マネジメントをベースにしたコンサルテーションを行う。日本広告業協会(JAAA)会報誌コラムニスト。著書に『広告ビジネス次の10年』(翔泳社)。ニューヨーク最新動向を解説する『MAD MAN Report』を発刊。米国コロンビア大学経営大学院(MBA)修了。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2021/03/03 17:18 https://markezine.jp/article/detail/28273

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング