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読者と一緒に企画を作る!MarkeZineで共創編集会議をやってみた

企業は口コミをどう活用しているのか

口コミは、「購入者が商品やサービスをレビューするもの」であるため、企業はこれをうまく活用し、購買へのモチベーションや流行(バズる)につなげたいと考えています。その一方、編集会議では「口コミを社内のモチベーション向上に活用したい」というアイデアも出てきました。

安成:クレジットカードのような商品だと、口コミで入会が左右されるケースも多いと思いますが、福田さんは口コミというテーマについてどうお考えですか?

三井住友カード株式会社 統合マーケティング部 インサイトマーケティンググループ 福田保範氏

福田:金融業界は口コミのパワーが強力なので、会社として口コミコンテンツを作るということに抵抗があります。口コミを活用するシーンとしては、社員の意識改善や勇気付けが多いですね。具体的には、「カードを紛失した時に、こんな対応をしていただいたというお褒めの言葉がありました!」という感じです。

 もう1つ、口コミを通じて自社商品の良さを確認するということもあるんです。社員が三井住友カードの良さを外部に説明する時に、「うちのカードの強みは何だろう」「信頼と安心以外に、どんなメリットがあるのだろう」ということを、口コミを分析して認識する。そういう意味では、共創マーケティングの社内版になりますが、三井住友カードのファンを集めて社員向けに口コミを集約し、モチベーションを高めたり、製品の強みを確認したりする試みもやっていきたいと思っているんですよ。

菅原:プロダクトづくりは、「どう作るか」と同時に「今のプロダクトをどう見てもらったら、一番だと思ってもらえるか」も考える必要があります。そういう意味では、口コミを分析して自社製品の評価軸を知り、「ナンバーワン」の切り口を探すというのは有効だと思います。口コミには媒介となる言葉が必要なので、商品の良さを表す言葉があまり長いものはNGですけど。

島袋:弊社は、ソーシャルリスニングツールを使って、積極的に生活者の声を傾聴していこうとしています。ソーシャルの分析をして、企業が伝えたいメッセージと、生活者が抱いているブランドイメージ。その現状理解と、中長期的なコミュニケーションの深耕が狙いです。これは今まさに取り組み始めたところで、今後の大きな目標ですね。

 あとはテキストではない(言語化されていない)口コミ、Instagramの画像解析で「声にならない声」も拾っています。Instagramのユーザーが全員、自社の商品名のハッシュタグをつけて投稿するわけではないので、「edison.ai」という画像解析でテキストがなくても、「一番搾りはいつどんな場所でよく飲まれているのか」「どういう時に飲みたくなるのか」などを調べたことがあります。言語・テキストの「口コミ」で見えているのは「氷山の一角」で、その他の部分を見える化するというイメージです。 

口コミというテーマでどういう誌面を作るのか

編集会議も佳境に入り、「口コミ」というテーマをどういう切り口でコンテンツに落とし込むのかが議題となりました。
MarkeZine編集部

菅原:ひとことで口コミといいますが、コミュニティマーケティングやインフルエンサーマーケティングと口コミは切っても切り離せないと思います。特集では、これらの関係をどうフォーカスするのですか?

安成:まず問題意識としてもっているのは、口コミの価値が変わってきているということです。その前提に立ち、生活者の意思決定で口コミの存在はどのように変化しているのかを企画に落とし見たいと考えています。

坂田:「口コミを起こすハウツー」なのか「意思決定に口コミがどう関わっているのか」になるのか、そこを編集者がどう読み解くかがポイントですね。

菅原:そこで必要になるのは、先ほど話に出た「地図」ですね。特集で描く「口コミ」についての情報体系を最初に示すことがポイントです。口コミとは何かを解説し、それを明らかにすれば、そこから「口コミを誘発するにはどうすれば良いか」「商品をバズるにはどうするか」「選んでもらうために口コミをどう活用するか」「社内のモチベーション向上に口コミを活用するには」など、様々な問題意識に分化していくと思うんです。そこで初めて、読者は必要なことを知ることができる。

福田:当社だと、まだなかなか口コミ活用まではできませんが、「口コミを通じて企業やサービスを応援してくれる流れを作るにはどうすればいいか」があれば、読みたいと思います。

島袋:口コミをテーマにするなら、取材候補者もいろいろ考えられますね。東京工科大学講師の藤崎実さんは私も影響を受けた方ですし、Twitterの口コミ分析とソーシャルメディアマーケティングに詳しいホットリンクの桧野安弘さんも、おもしろい話を伺えると思います。

安成:ありがとうございます。あとは口コミのプラットフォームの方にも取材したいと考えているのですが、皆さんのご意見はいかがでしょうか。

坂田:マーケターなら、今活発化している良いプラットフォームについての情報は知りたいと思います。活発化している口コミプラットフォームは、参加者が発言しやすい環境が整っていますね。たとえばウィメンズパークやママリのように、出産・子育てとテーマを切っているプラットフォームは、「情報を知りたい人」と「子育て経験があり、教えてくれる人」が集まって、真剣に情報を交換しています。知りたいと思っていることに真摯に答える土壌があるので、ステマもありません。

安成:様々な視点からの意見、とても参考になります。 今回の編集会議を経て、さらに具体的な企画に落とし込み、7月25日刊行の定期誌『MarkeZine』31号の特集を作っていきます!本日はありがとうございました。

定期誌『MarkeZine』31号の特集をチラ見せ!

 今回の共創企画プロジェクトで得たアドバイスをもとに、定期誌『MarkeZine』31号の特集「口コミのメカニズム」を下記の構成で進めています。刊行の7月25日(水)に向けて、絶賛編集中です。ご期待ください!

第一部:生活者の意思決定における口コミの影響(仮)
東京工科大学 メディア学部 講師 藤崎実氏

第二部:口コミの真価と可能性を探る
(プラットフォーマ―)アイスタイル(@cosme/ウェディングパーク/コネヒト(ママリ)/Twitter Japan/フェイスブック ジャパン(Instagram)/リクルートライフスタイル(ホットペッパービューティー)/Retty
(BtoC)栃木サッカークラブ/ハーゲンダッツ ジャパン/メルカリ/ローソン/Zebra Japan(フライングタイガー)
(BtoB)セールスフォース・ドットコム/トレジャーデータ/ブレインパッド/マルケト

定期誌『MarkeZine』の最新情報はこちら

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この記事の著者

岩崎 史絵(イワサキ シエ)

リックテレコム、アットマーク・アイティ(現ITmedia)の編集記者を経てフリーに。最近はマーケティング分野の取材・執筆のほか、一般企業のオウンドメディア企画・編集やPR/広報支援なども行っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2018/06/12 14:22 https://markezine.jp/article/detail/28498

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