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インターネット広告の歴史と未来

90年代後半のポータル戦争の最中に登場したGoogle 「なんだこのスカスカのサイトは!?」


Google日本法人立ち上げの責任者に

佐藤:インフォシークジャパンは楽天に買収となり、検索エンジンの開発も中止となってしまったころ、Googleが日本にオフィスを出すという話がありました。興味のある会社でしたし、成り行きで米国本社の面接を受けてみることにしました。朝一にサンフランシスコ空港に着いて、そのままマウンテンビューのオフィスに行きました。オフィスでシャワーを借り、その後何人かと、当時まだチャーリーさん(ストック・オプション付きで雇われたことで有名なGoogleのシェフ)がいたチャーリーズ・カフェでのランチを挟み、面接は終日行われました。

 当時のオフィスは、木造二階建てで、受付はラバー・ランプにバランスボール。グランドピアノにエンジニアが作ったらしいゲーム機がある、カラフルでとても楽しげなものでした。中でも、受付の天井からぶら下がっているモニターに、世界中の検索キーワードが、リアルタイム風にスクロールして表示されていくのを見て、いたく感激したのを覚えています。これを見て、ああ、この人たちは本気で世界中の情報を整理していこうとしているんだな、と思ったものです。

 ご縁があって、Googleの日本でのビジネス立ち上げ責任者として2001年10月に入社します。この頃のGoogle日本法人は、渋谷のレンタルオフィスで総勢4名という感じでした。自分の社員ナンバーは400番台だったように記憶しています。

Google日本法人立ち上げ当時の写真。上段の中央が佐藤さん。
Google日本法人立ち上げ当時の写真。上段の中央が佐藤さん。

杓谷:インターネット広告業界の成り立ちと混沌さがよく伝わってきて、単純に物語としておもしろいですね! 運用型広告登場前の風景を知らない私のような世代にとってはとても新鮮です。

 インプレッション保証型のバナー広告は、Webサイトをバナー広告だらけにしていく「力学」を生み出しました。その「力学」はやがて引力を増し、サイトのあり方を変え、最終的にユーザービリティを無視した全画面ジャックの広告商品が登場するまでに至りました。運用型広告の課金方法・広告の表示方法はインターネットサービスの方向性を左右するとても重要な要素と言えるでしょう。

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この記事の著者

杓谷 匠(シャクヤ タクミ)

Jellyfish Japan株式会社 Data Strategy Director
2008年に新卒一期生としてグーグル株式会社に入社。2010年にスタートアップの立ち上げに参画したのち、しばらく川原でひざを抱える日々を経験。2013年からトリップアドバイザー株式会社にてSEMアナリスト、BIアナリストを経験したのち、20...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2019/01/29 10:02 https://markezine.jp/article/detail/28768

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