毎月約3,000件の記事露出
セッションの後半は、ディライトワークスの広報セクションマネージャーである市川伸氏が、同社の広報の機能や取り組み、そして成果について、マーケティング機能にフォーカスして発表した。

まず、広報の役割の一つとして「FGOというキーワードに触れる機会を増やす」ということがある。「Fate/Grand Order」あるいは「FGO」というキーワードが入っている記事の掲載件数は大小あわせて毎月約3,000件にのぼるという。第三者的な視点や価値観が入ることが宣伝と広報の違いであると、市川氏。編集記事として掲載された際、タイトルと最後の一文にメディアや記者ごとの価値観や視点が凝縮されていると感じ、特にそこを楽しみに見ているそうだ。
広報は魔法(マ法)をより広く、遠くへ届ける存在
広報の欠かせない業務にプレスリリースの配信がある。ディライトワークスでは、FGO PROJECT関連のプレスリリースを月に10~15本発信している。ただプレスリリースを書いて送るだけではなく、それ以外に記事化されるための材料をどう用意するかという点にも注力しているという。
たとえばブース出展するイベントでは、一般公開の前のメディア取材時に写りがよくなるよう展示物の配置を練るといったことをしている。また、ユーザーも出席できる発表会では、メディア関係者が撮影しやすいスペースをどこに設置すべきかや、動線についても打ち合わせ段階から広報として関わっていくそうだ。

「広報はただ情報を発信するだけではなく、メディアの皆さんと一緒に話題作りをしていく部署だと思っています。イベントや発表会の前に、いろんな記者さんに意見を伺ったりしますし、他社さんの事例などを調べながら、どうしたらより読者の方々にわかりやすいものができるかを考えています」(市川氏)
FGOのマーケティングのキーは“3つの魔法(マ法)”であり、それを操るマーケターは「魔法使い」となる。では、FGOにおける広報の存在をたとえるとどうだろうか。市川氏によると、その魔法をより広く、より遠くへ届けることを支援する存在、「後方支援部隊」であるという。広報だけに。