※本記事は、2018年7月25日刊行の定期誌『MarkeZine』31号に掲載したものです。
コミュニティで顧客満足度向上に貢献
口コミの可能性
当社は購読型でCRMソフトウェアを提供する会社なので、購入後にも当社サービスに対し価値を感じていただき、継続利用していただかないとビジネスが成立しません。よって当社のコミュニティは、CRM導入前のお客様の不安感を払拭するための役割とともに、CRM導入後にお客様同士の交流をうながすことにより、同じような課題を抱えられている方々同士での解決方法の模索、新たなビジネス機会の創出にご活用いただいています。またイベントで、ご利用企業の皆様がコミュニティでの経験を話していただく機会を作ることにより、自社の営業活動よりも、新規のお客様に向けて、より響くメッセージを届けることができると思っています。
口コミ活用の展望
さらに良質なコミュニティづくりを心がけていきたいと思っています。先に述べたように、お客様がビジネスで成功するプラットフォームをCRMソフトウェアという技術とともに、コミュニティの場を提供するという形で当社は支援しています。お客様同士が交流することで、新しい発見をして、ビジネス課題を解決していくこと。これが良い形で循環することによって、お客様の満足度が上がり、さらに新しいお客様が加入されているのです。また、当社では、コミュニティに参加して企業のイノベーションを担う方をTrailblazer(先駆者)と呼んでいるのですが、この方々が仕事でキャリアアップすることを支援していきたいと思っています。
株式会社セールスフォース・ドットコム
カスタマーサクセス統括本部 サクセスプログラム部長 坂内 明子氏
大学卒業後、米シアトルの新聞社にてインターンシップを経験後、帰国。その後、2004年セールスフォース・ドットコム入社、インサイドセールス(内勤営業)、カスタマーサクセス(CRM活用支援)、セールスエンジニアを経験し、現在はお客様のCRM活用支援プログラムを、コミュニティ運営を含めて担当している。
口コミは購買促進とLTVを高める一営業担当者
口コミの可能性
前提として、トレジャーデータはBtoBのSaaS企業であり、購買後のLTVをいかに高めるかが当社にとって重要となります。認知から購買までのフェーズにおいて、企業の事例を示す口コミが言わば一営業担当者となり、導入検討中の企業における購買行動の後押しになることはもちろんのこと、購買後の活用方法について企業間で情報交換がなされることで、導入後のさらなる活用が促進され、LTVを高めることにつながっています。もちろんユーザーによらず、当社社員が活用方法を導入企業に対して案内することは可能ですが、口コミを活用することによって、社員数を増やさなくともスケール可能な組織モデルを実現しています。
口コミ活用の展望
当社では、口コミをプロダクトへのフィードバックの最重要インプットとして活用しています。当社プロダクトの提供価値を高めるためには、顧客理解を深めることが必要不可欠と考えており、当社プロダクトの活用が進んでいる企業での事例インタビューやユーザー会での事例発表等を多数進めることで、ユーザーの声の可視化に努めています。当社ユーザーには、デジタルマーケティングやIoT領域において先進的な活用を推進しているところが多数あります。このような事例を可視化することが、企業間のディスカッションの深さや密度を高めることに貢献し、それぞれの企業における購買や活用に向けての気づきを与えていると実感しています。
トレジャーデータ株式会社
Director of Customer Success, Japan 井手 健一氏
トレジャーデータの日本でのカスタマーサクセス部門のディレクターを務める。トレジャーデータ入社以前はアクセンチュア、PwCコンサルティングにて10年間超の経営コンサルティング経験を通じて企業のデジタル化を支援。専門分野はデジタル・トランスフォーメーション、チェンジマネジメント、業務プロセス変革、IT戦略、ITガバナンス、プログラムマネジメント等。
購買後のフェーズにおける口コミの重要性が拡大
口コミの可能性
口コミは購買だけでなく、購買後のフェーズにおいても影響を及ぼします。企業に「購買」してもらうだけでなく、継続的に「利用」してもらうSaaS型・サブスクリプション型サービスは、BtoB製品でも今後さらに増加していくと思います。これは、認知から購買フェーズの口コミにだけ注意を払うだけでは、BtoB企業においてもユーザーから選択されなくなるほど、大きく意思決定をシフトさせる変遷だと考えています。導入後のユーザーの声を適切に製品やサービスにフィードバックし、素晴らしい顧客体験を構築することがBtoBマーケティングの根幹である、と捉えていくことが、購買までのフェーズにおいてもさらに重要になっていくのではないでしょうか。
口コミ活用の展望
利用企業を囲い込む、という観点ではなく、口コミや企業内に蓄積されている素晴らしいノウハウ、成功・失敗事例を、製品を問わず活用できるカタチでシェアしていけることが重要と捉えています。この実現の第1歩として先日大規模なユーザー会を開催したのですが、今後さらにオープンなコミュニケーションの場の提供、当社からの発信を強化していきたいと考えています。また、購買後も含めた口コミやノウハウ、先進事例を当社開発のプライベートDMP「Rtoaster」をはじめとした製品・サービスにフィードバックし、ユーザーにとってメリットとなるようなサービス構築、データを活用した顧客ビジネスの成果向上を推進してまいります。
株式会社ブレインパッド
マーケティングプラットフォーム本部
Rtoasterプロダクトオーナー 上川 晃二朗氏
大学卒業後、通信系インフラ企業に入社。BtoBマーケティング担当・商品企画担当を経て、2013年1月にブレインパッド入社。レコメンドエンジン搭載プライベートDMP「Rtoaster」の導入・活用コンサルティング職を経験後、同製品のプロダクトオーナーに就任。現在は製品企画・マーケティングの部門長も務める。
顧客の声で成り立つオープンなコミュニティ
口コミの可能性
お客様の声は、自社のブランドやサービスを後押ししてくれるものだと考えています。特に弊社がユニークなのは、弊社社員とお客様とで、お互いのビジネス成長を加速させるためのオープンなコミュニティ「MarketingNation」を一緒に作り上げていることです。お客様の声は、すべての購買フェーズで有効ですが、一方的にお客様の声を集めるのではなく、お客様、企業の双方がWin-Winの関係になる仕組みを作り、お互いに成長していくことが重要だと考えています。
口コミ活用の展望
弊社では「お客様がやりたいこと」「お客様が喜ぶこと」を最優先に考えています。お客様の声をマーケティング施策に反映するというよりは、お客様の声に耳を傾け、お客様がやりたいこと、望むことを実現するよう、微力ながら、ご支援をしています。それが見えないうちに自社のブランディング、認知度向上、サービスの販売に自然とつながっています。それがコミュニティマーケティングであると考えています。
株式会社マルケトマーケティング部
コミュニティ担当マネージャー 清水 真理氏
外資系ハードウェアメーカーでインサイドセールス、営業を経験した後、マーケティング部門へ異動して、日本No.1のサーバーブランドの立ち上げに従事。その後、セキュリティソフトウェア会社を経て、Salesforce.comに入社。マルケトではマーケティング・PRの立ち上げに従事。