※本記事は、2018年7月25日刊行の定期誌『MarkeZine』31号に掲載したものです。
マーケティング活動のベースはCRMにある
企業のCRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)の導入が進み始めてから、四半世紀ほどが経つ。
CRMは、パッケージ型からクラウド型へ、顧客管理から顧客情報基盤データベースへ、など様々な進化をしているが、“顧客の情報を集約し、顧客との関係構築を継続的に図ることによって、収益や企業価値を最大化する”という基本的な考え方は変わらない。
そして、企業のマーケティング活動・営業活動における中心的なIT/情報基盤は、やはりCRMであると考える。
最近では、MA(マーケティング・オートメーション)の導入も進み、MAを駆使したマーケティング活動について語られることも多くなったが、CRMなくしてMAを本当の意味で駆使し効果創出することはできない。マーケティング活動のベースは、MAではなくCRMにこそある(図表1)。
もちろん、マーケティングには様々な手法があり、事業内容や製品や目的によっても多少異なるが、“顧客に対して情報を届け顧客からの収益を得る”という点においては、特定の顧客の基本属性情報・顧客との契約状況や関係性・顧客への活動状況など、顧客に関わるあらゆる情報を集約したCRMを基盤に考えるべきだろう。
そしてMAが持つ、顧客のWeb行動(来訪タイミングや閲覧ページなど)やスコアリング(来訪頻度や関心度合い)などは、CRMの顧客データベースの一部の情報として加わり、またCRMの属性情報や顧客の活動情報と交わることで、よりMAのシナリオが活きてくる。逆に言えば、CRMと連携していないMAは、顧客情報を活かしていない/考慮していないマーケティング活動を実施するツールとなり、その成果は大きくは望めないことになるだろう。