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次世代マーケティング教室

エンゲージメントを実現する次世代CRM

MA×CRMの活用事例

 MAの導入は進んだが、成功事例はまだ少ないと言われている。弊社では、3年間で800社を超える企業のMA導入支援をしてきたが(2018年6月末時点)、MAとCRMを駆使することで売上成果が出てきた企業も増えてきた。

 成果が出ている企業の特徴の一つに、既存顧客向けに活用しているという傾向がある。要因は、既存顧客は既に関係性もありCookieの紐付けもしやすく顧客のWeb行動を把握しやすいことと、顧客ニーズが明らかになった後のアクションとして提案がしやすいことにあると考える。

 既存顧客へのマーケティング活動は“営業マンが行うもの”と思いこんでいる方は、驚くほどいまだに多い。しかしその一方で、既存顧客向けのマーケティング担当を専任でアサインしている企業もあり、実のところその成果は見えやすく出やすい。

 弊社で支援をしたN社は、既存顧客向けに特化してMAとCRMを利用している。従来、既存顧客である全国120工場を20名の営業マンで担当し、ルートセールスをする営業スタイルをとっていた。元々取引先企業のカルテと営業活動の記録としてCRMを導入していたが、1年前よりMAを導入した。

 まず、既存顧客向けに新製品の案内や製品利用例、設置の注意点資料などをまとめたメルマガを始めたところ、想定以上のクリックがあった。そしてその後、既存顧客向けの専用Webサイトを立ち上げ、取扱製品800品の詳細説明やオーダー機能などを開始した。すると、過去数年間に亘ってA製品しか購入していなかった取引先の担当者が、そのWebサイトのB製品とC製品の詳細説明を閲覧していることがわかり、B製品とC製品のサンプルを次のルートセールスの際に持参し提案するとC製品の発注に至った。

 これはN社における多くの成果の中の1つの事例にすぎないが、MAがなければ決して把握できなかったことだ。MAの活用がなければ、きっとこの先数年に亘ってもA製品しか納品しないルート取引先であっただろう。

 もちろん新規営業においても、MAとCRMを駆使することで成功している事例はたくさんある。

 挨拶状などの印刷と配送を手がけるG社は、リスティング広告のコンバージョンフォームはもちろん、電話でのインバウンド顧客にもその後のフォローメールにおいてCookieを紐付けている。MAを活用し、アクティブプロスペクト(Cookieが紐付きWebサイトの来訪や閲覧の履歴を追える人)を増やすことを重要KPIにしている。

 Webや電話からの資料請求や見積もり依頼の数に対して、新規取引の受注率は30%ほど(通常よりは良い数値ではある)であったが、MA導入後はWebサイトに再度来訪した顧客にインサイドセールスからフォローをした結果、受注率は40%ほどに上昇した。

 高受注率に驚く方もいるかもしれないが、当然の結果だ。Webサイトに目的がない顧客は訪れない。Webサイトに来訪したということは、顧客がニーズを持っているということだ。さらには顧客が見ているページを把握し具体的なニーズを理解した上で、すぐに電話フォローをしているので、受注率が上がらない理由がない。

 こうして、メールでのシナリオなどを組まずとも、顧客のWeb行動を把握し電話をかける、というようなMAのシンプルな活用も是非推奨したい。CRMの持つ顧客情報基盤を活かしマーケティングや営業活動で成果を出す企業がこれからも増えると確信している。

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この記事の著者

小池 智和(コイケ トモカズ)

toBeマーケティング株式会社 代表取締役CEO
株式会社リクルートにて企業の販促支援事業の営業を経て、株式会社ネクスウェイに転籍しネット広告事業の立ち上げ及び商品開発責任者を歴任し株式会社セールスフォース・ドットコムに入社。パートナーアライアンス部にてパートナー支援や地域スキームを構築。2014年8月より2BC株式会社の設立に参画し、マーケティングオートメーションシステムの導入支援を中心に事業を推進。その領域に特化した事業推...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2018/07/25 14:00 https://markezine.jp/article/detail/28872

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