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イベントレポート

森永乳業が考える、ブランドステージごとの戦略/広告を打たない「プレコミュニケーション」とは?

 2018年7月4日、東京ビッグサイトにてリード エグジビション ジャパン主催の「第10回販促EXPO」が開かれた。会場では、森永乳業の海外事業本部 ミライ事業支援管理室長を務める寺田文明氏(前マーケティングコミュニケーション部 部長)が、企業のブランドステージごとのポイントについて語った。今回はその様子をお伝えする。

顧客獲得に欠かせない、ブランディングの前提知識

 ブランドと消費者の関係構築は、人とのコミュニケーションと近しいものがある。その日その時によって接する人の感情や態度が変わるように、企業もまた、移り変わっていく顧客のニーズを敏感に捉え、各ステージに合った適切なブランディングをしていくことが求められるからだ。

 では、顧客一人ひとりが十人十色の生活をする中で、企業はどのように商品のブランディングを進めていけば良いのだろうか?

森永乳業 海外事業本部ミライ事業支援管理室長 寺田文明氏

 寺田氏は、『戦略的ブランド・マネジメント』(東急エージェンシー、2000年)の著者ケビン・レーン・ケラー氏が提唱する「エクイティ・ピラミッド」を挙げ、顧客獲得に欠かせないブランディングの前提知識について語った。「エクイティ・ピラミッド」とは、理性的側面および感情的側面からの働きかけによって、顧客一人ひとりが段階的にブランドと向き合っていく一連のプロセスを体系化したものだ。

 ピラミッドの土台となる部分「セイリエンス」では、ブランドの持つ特徴や基本的な機能などを顧客に向けて説明。この土台があってはじめて顧客は、次の段階である他社ブランドとの差別化がされたパフォーマンスや、商品の価格・デザインなどに目を向ける。続いて、実際に商品を使用する状況などをイメージしながら顧客は、品質の客観的な判断、琴線に触れるかといったプロセスを経て、最終的にはブランドに共感・共鳴をしていくという。

 土台から頂点へと顧客を正しく導くために企業は、商品の提供価値をしっかりと伝えつつも、顧客の感情を揺り動かすような施策を実行していかなければならない。

 寺田氏は、「お客様は一人ではないため、企業は商品やブランドがお客様にどの程度浸透しているのかを必ず把握しなければなりません」と語る。つまり、ブランディングをしていく上で重要なのは、「エクイティ・ピラミッド」の概念に加えて、ブランドが置かれているステージを見極め、その都度最適な戦略を精査・実行していくこと。寺田氏がその中で特に意識しているのは、以下の4つのブランドステージだという。

1. イントロダクション
2. ブランド成長
3. 真のブランディング
4. ロングセラーブランド

まずは顕在層に届くイントロダクションを

 1番目のイントロダクションで最も重要なのは、初期サポーターの獲得だ。新商品が発売されるとまずは、「イノベーター」や「アーリーアダプター」と呼ばれる層が商品に対して高い関心を示す。この初期サポーターとなり得る層は、流行に敏感で、新しい商品やブランドに対する受容性が、潜在層に比べ極めて高いという特徴を持っている。

 この「アーリーアダプター」たちの心を獲得しない限り、現代の消費社会においてブランドは商品棚で生き残ることはできない。そのため、初期段階においては「漠然としたイントロダクションではなく、確実に届く顕在層に向けたアピールをしていく必要がある」と寺田氏は語る。

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この記事の著者

富安 純人(編集部)(トミヤス スミト)

MarkeZine編集部 上智大学ポルトガル語学科卒業後、新卒で翔泳社に入社。プライベートではサッカーブログを運営し、週末は寝る間も惜しんでサッカーを観る欧州サッカーオタク。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2018/08/02 08:00 https://markezine.jp/article/detail/28889

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