※本記事は、2018年7月25日刊行の定期誌『MarkeZine』31号に掲載したものです。目次はこちら!
●データサプライチェーンを意識し、機会を見出せ
株式会社インテージ 伊藤 直之氏
●マーケティング部門が取るべきGDPR対応
伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 大元 隆志氏
●マーケターはデータの棚卸しができているか
株式会社KDDI総合研究所 加藤 尚徳氏
データサプライチェーンを意識し、機会を見出せ
「日本でのみサービスを展開しているから……」と、GDPRは対岸の火事と考えてはいけない。特にボーダーレスなデジタル社会においては、ユーザーは簡単に国境を越えられる。
Google、Facebook、Microsoft、Uber等のグローバルにサービスを提供している企業は、GDPR対応をEU市民にだけでなく全世界で適用することを発表している。将来的にはGDPRの考え方が日本を含む全世界のデファクトスタンダードになっていく可能性もある。
デジタルマーケティングに携わるマーケターはそれぞれの立場で異なる対応が必要だ。アドテクなどのベンダーはパブリッシャーに対して、ユーザーからどのようなデータをどのような目的で収集するのかを説明し、パブリッシャーはユーザーから同意を得たデータについてどのベンダーに提供するのかを管理していく必要がある。CRMなどを強化していこうとするブランド・広告主は、顧客に対するデータ収集と利用における情報コントロールを強化させ透明性を高める必要がある。そして、すべてのマーケターにおいて「データサプライチェーン」を意識して管理することの重要性が増していくだろう。
しかし、消費者を保護するという「守り」に徹するだけでなく、これをチャンスと捉え「攻め」の絶好の機会であることも認識してほしい。消費者との信頼関係を構築することができれば、他社が保有しない価値あるデータの提供を受け活用することができるようになるからだ。
株式会社インテージ
CSP(Consumer Side Platform)エバンジェリスト
一般社団法人 データ流通推進協議会理事 伊藤 直之氏
2008年、インテージ入社。主に消費財メーカーの社内外データ利活用基盤構築やマーケティングリサーチ、デジタルマーケティング領域での新規事業開発に従事した後、現在はデータ流通(主に生活者主導によるパーソナルデータ流通)領域における啓蒙活動と新規事業開発を行う。ビジネス領域でのオープンデータやパーソナルデータなど多種多様なデータの公開・流通による利活用を推進し、より良い社会の実現を目指す。OpenKnowledge Japan運営メンバー。