ユーザーとの関係性を考え直す時が来た
セールスフォース・ドットコム(以下、セールスフォース)は、6月にシカゴで行われた「Salesforce Connections」の日本向けイベントを東京ミッドタウンにて開催した。
AI、IoTなどが普及しつつあり、第四次産業革命の最中にあると言われている現在。デジタルツールを利用するユーザーが増えたことで、企業とユーザーのタッチポイントは多様化している。デジタルが社会全般に普及したことで、企業はより多くのユーザー情報を手に入れることができるようになり、マーケティングへの活用を進めている。
このような背景において、米セールスフォースCSO(チーフ・ストラテジー・オフィサー)のジョン・スアレス・デイビス氏は、ユーザーとの関係性を考え直す時が来ていると述べる。
「今、ユーザーの8割が『企業の提供するエクスペリエンスは、商品と同じくらい重要』述べています。これからはインテリジェントなマーケティングによって、ユーザーとの関係構築を図っていく必要があります。本日は、この『インテリジェントマーケティング』におけるキーワードと、その課題について考えていきたいと思います」
キーワードは「理解」「パーソナライズ」「つながる」
デイビス氏はインテリジェントなマーケティングを実現するためのキーワードとして、「理解」「パーソナライズ」「つながる」を挙げ、まず「顧客を理解する」ことについて次のように語った。
「テクノロジーの発展により、ユーザーのデータを集めることは比較的簡単になりました。しかし、ツールごとにデータを収集しているためサイロ化しているのが現状です。結果的に多くの企業は必要なデータになかなかアクセスできないという課題を抱えています。ユーザーを理解し、一貫したアプローチを実現するためには、これらサイロ化されたデータを統合する必要があるのです」
続いてデイビス氏は、「パーソナライズ」について次のように述べた。
「弊社の調査によると、現在、76%ものユーザーがパーソナライズされたエクスペリエンスを期待しています。これはもう、『あったらいいな』というレベルではないですよね。
でも反面、62%のユーザーが企業のデータ活用に懸念を抱いているという調査結果もあります。つまり、企業はユーザーに嫌われずに『パーソナライズ』することが求められているのです」
最後に、「つながる」について、デイビス氏は次のように問題点を挙げた。
「テレビ、Webサイト、ECサイト……今、企業とユーザーの間には様々なタッチポイントがあります。しかし、それぞれが分断され、統一したジャーニーマップが作れていない企業がほとんどです。常にユーザーの視点にたち、ユーザー主導型の統一されたジャーニーマップを作ることで、本当の意味でエンゲージメントを高めることができるのです」
では、このような現状の課題を解決するためには、どうすれば良いのだろうか。続いてデイビス氏は、同社が提供するソリューションについて語った。