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リクルートの組織横断的なソリューション導入計画/ゴルフダイジェスト・オンラインのシナリオ運用現場

多数の施策を展開中!ゴルフダイジェスト・オンラインの運用現場

 次に登壇したのは、ゴルフダイジェスト・オンライン(以下、GDO)の大友広貞氏。GDOは、ゴルフメディア、ゴルフ用品販売、ゴルフ場予約、ゴルフレッスンを主軸とした事業を展開している。その中でGDOは、ECサイトとゴルフ場予約サイトの2つの領域でKARTEを導入し、大きな成果を上げている。大友氏は、具体的な施策の内容と成果を共有した。

GDO otomo
株式会社ゴルフダイジェスト・オンライン リテールビジネスユニット 企画部
販売販促チーム マネージャー 大友広貞氏

パーソナライズドされたクーポン施策によるCVRが大きく改善

 2016年からのECサイトでのKARTEの活用は、1日限定のセール告知のポップアップ表示や、おみくじクーポンの配布から始めた。その後、Salesforce Marketing CloudとKARTEのデータ連携を実施。サイト会員の属性データ、購買データ、ログデータ、商品データを基に、より複雑な施策が展開できるようになったと大友氏は話す。

 新しい施策には、会員限定の誕生月クーポンの発行や、ログインしたユーザー限定の会員向け割引価格の案内などがある。それぞれのCVRは、施策実行前と比べ、誕生月クーポンが4.29→5.10%に、会員向け割引価格の案内では3.44→5.21%に改善した。

 さらに、会員を対象にパーソナライズドされたお知らせページ機能も間もなくリリース予定だ。この機能は、会員名、保有ポイント数、保有クーポン、お気に入り商品の内容、おすすめ商品の案内など、パーソナライズドされた情報を出し分けて表示するもの。よく見かけるマイページ機能は、開発に大規模な工数がかかる。しかしKARTEを活用することで、現場のデザイナー、エンジニア、シナリオ運用担当者らの数名体制で実現できたと大友氏は話した。

マイページイメージ
マイページイメージ

ECとゴルフ場予約サイトでのKARTE導入による相乗効果

 2018年からはゴルフ上の予約サイトでもKARTEを利用している。ゴルフ場のあるページを何人の人が見ているのか、リアルタイムの閲覧者数を表示するようにしたところ、CVRは5.62%→5.83%に。ゴルフ場予約の場合、同じ時間帯にプレイできる人数が限られ、人気の時間帯はすぐに埋まってしまうため、このような改善につながったのだろうと大友氏は話す。

送客
それぞれのサイトから送客している

 また、二つのサイトでKARTEを使うようになり、利用者を相互に送客できるようになったことも説明した。たとえば、ECサイトで何らかの商品を購入したらノベルティがもらえるプランをゴルフ場予約サイトに表示したり、ゴルフ場予約の日程に合わせて消耗品の案内をしたりすることで、それぞれのサイトの利用を増やすことができるようになったのだ。

KPIの設定、シナリオ設計などの課題

 GDOでは、多くの施策を展開しているため、その分課題も多い。ミートアップで大友氏が挙げた課題は、大きく3つある。

 1つ目は、施策の効果検証が難しいこと。たとえば、購入額のリフトアップをKPIにした施策では、PCとスマートフォンで全く逆の成果が出た。同一セグメントに対して施策を行っても、デバイスの違いが結果に及ぼす理由の検証に課題を感じているそうだ。

 2つ目に、KARTEのメリットとして現場担当者でも扱いやすいことがあるが、最近ではJavaScriptの知識が必要な場合が増えていることも悩みの一つ。スキルがある人に開発を頼ることになり、施策展開までのスピードがダウンする懸念があるからだ。

 最後に、KARTE運用者のレベルアップの必要性にも迫られているという。GDOでは、多くは一人の担当者が施策のシナリオを考えているが、それだと発想が行き詰まることもある。そのため、週に1回は複数人で集まりシナリオを考える機会を設けている。しかし、高品質なシナリオを設計するにはやはりKARTEの機能を深く理解している必要がある。よって、施策展開のバリエーションとスピードアップは、KARTEを理解するメンバーをどれだけ増やしていけるかにかかっていると言える。

 この点について、プレイドの仁科氏は「多くの企業の活用現場を見ていると、当初は成果が出なかったケースが多い」とし、画面を見ながらのアクションベースで施策を展開すると失敗しやすい傾向があるとその場でアドバイスした。

 同じ課題を持つユーザー企業には、「改善にはユーザー視点で施策を考える時間を確保することが大事」と助言。本質的な解決策は、質の高いカスタマージャーニーを描ける担当者を増やすと同時に、KARTEの使い方を理解している人を増やしていくことになるだろう

 大友氏は、「一人のゴルファーがGDOのどんなサービスを使っても、閲覧・回遊・購入・予約などの行動データを取得でき、接客・メール・LINE・プッシュ通知などを通してリアルタイムかつ一人ひとりのゴルファーに寄り添った接客ができる環境を整えていきたい」と今後の展望を語り、話を終えた。

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この記事の著者

冨永 裕子(トミナガ ユウコ)

 IT調査会社(ITR、IDC Japan)で、エンタープライズIT分野におけるソフトウエアの調査プロジェクトを担当する。その傍らITコンサルタントとして、ユーザー企業を対象としたITマネジメント領域を中心としたコンサルティングプロジェクトを経験。現在はフリーランスのITアナリスト兼ITコンサルタントとして活動中。...

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2018/09/12 11:00 https://markezine.jp/article/detail/29053

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