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【ニッチなターゲットにアプローチ】JINSが進めるWeb行動ログからユーザー理解を深める方法

2018/09/27 08:00

 デジタルプロモーションでは、キャンペーンごとに狙ったターゲットに的確にアプローチする必要があります。従来のCookieをベースにしたオーディエンスデータだけでなく、Web行動ログを用いたデータドリブンな集客事例をご紹介します。アイウエアブランドのJINSでは、人気アニメやゲーム、鉄道会社など様々なコラボ企画を短サイクルのキャンペーンで展開。ヴァリューズとタッグを組み、クラスタリングやトピックモデルなどのデータサイエンスもフル活用しながら、ターゲットユーザーを見極め、効果的なプロモーションを実践しています。

ニッチなターゲットもデータでユーザー理解

 全国に店舗を展開する、アイウエアブランドのJINSは、国内最大級のメガネ通販サイトも合わせて運営しています。JINSオンラインショップのメインユーザー層は30~40代、やや男性が多いのですが、手軽に買える価格と豊富なデザインで、老若男女問わずに愛用されるブランドです。ネットではメインユーザー層だけでなく、様々な世代の消費者へアプローチするため、多様なコラボレーション企画を展開しています。中でも特徴的なのは、「JINS PAINT」というメガネを自由にデザインできるサービスを活用した、アニメや漫画のキャラクターとのコラボレーション。色柄を組み合わせてカスタマイズし、自分だけのメガネやサングラスを作ることができます。ユーザーはメガネにペイントする感覚で、柄やスタンプを組み合わせ、オンラインで簡単にカスタマイズデザインを作ることができるのです。

「JINS PAINT」
「JINS PAINT」

 コラボ企画では、こうしたオリジナルメガネだけでなく、鉄道の新型車両の素材を使用したメガネ等、テーマ毎にターゲットユーザーを設定。ネット上でも特定のアニメキャラのファンや、鉄道ファンなど、ニッチなターゲットに上手くアプローチする必要があるのですが、単純に性別や年代などのデモグラフィックだけではユーザーを特定できず、また従来のCookieベースのオーディエンスターゲティングでよく用いられる、興味関心カテゴリだけでは「漫画・アニメ」などセグメントが広すぎます。アニメとのコラボでも、タイトルごとに各ターゲットを判別しながらリーチしなければならない難しさがありました。

 そこで、推測だけでターゲティングを決めることをせず、データからターゲットユーザーの仮説を明らかにし、その人たちの実際のWeb行動ログを解析してユーザー理解を深め、広告配信先の選定やクリエイティブに活かすという、データドリブンなPDCAをまわすことに。Web行動ログは自社保有のアクセス解析ログだけでは、ターゲットユーザーが普段、自社以外にどのようなサイトをよく見ているかまではわからないため、ヴァリューズが保有するWeb行動ログデータが用いられることになりました。

Web閲覧履歴からターゲットに特徴的なメディアを抽出

 具体的に、ターゲットユーザーの分析データを、どのように広告に活かしたのかを見ていきましょう。たとえば、鉄道会社とのコラボ企画。新型車両の車体に使用される、丈夫なステンレス素材をフレームに使用したモデルは、価格が2万円(税込)と、JINSの通常のプライスラインよりもやや高価ですが、数量限定でレア感が高い商品です。実際の電車の端材から生まれたメガネということで、メインターゲットは“鉄道ファン”としていましたが、ネット上のどこに広告を出せば鉄道ファンに的確なリーチができるのか、当初は見当がつきませんでした。男性が多いのでは……というイメージは描かれていたものの、それだけではユーザー層が広すぎます。一方で鉄道ファン向けサイトに出稿しただけでは、リーチの総量が足りないのではないかという懸念もありました。

 こうした課題を解決するため、ターゲットユーザーと彼らのネット上での行動を、データから明らかにしていきます。まず、ヴァリューズが定期的に実施しているアンケート調査結果から「鉄道」に興味関心が高いユーザーを抽出。そのユーザー群のWeb閲覧履歴データから機械学習を用いて「鉄道ファンにリーチしやすい媒体」を選定し、広告配信することにしました。ヴァリューズの行動ログパネル「eMark+」では、ユーザーへの意識調査と実際のWeb行動ログの両方をクロスして分析することができる、という利点があります。

 「鉄道ファン」をデモグラフィックデータから紐解くと、アンケート回答者で『鉄道』に興味のあるユーザーの属性は下図のようになり、「男性」「40代」がメインユーザー層であることがわかりました

「鉄道」興味関心層のデモグラフィック
「鉄道」興味関心層のデモグラフィック

 さらに、機械学習(潜在トピックモデル)を用いて広告配信媒体を選定していきます。機械学習により、人だけでは想起できない潜在的な関連ジャンルの媒体も選定できるメリットがあります。また、訪問者数が比較的少ないサイトやメディアも抽出でき、配信面の拡大にも有効です。

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