コラボ特集ページ閲覧者の属性マップ
こうしたデータドリブンなユーザー理解とターゲティング広告を組み合わせることで、広告最適化のスピードを速めることができ、2週間で切り替わるような短サイクルのキャンペーンでも、高速PDCAを実現することにつながりました。配信初期から高クリック率でターゲットユーザーを集客し、リターゲティングも組み合わせることでコンバージョン効果も上昇。広告配信中も独自の運用ノウハウに基づく配信面の効率化を日次で自動的に反映し、最適化を進めています。
実際に、JINSの各コラボ特集ページの閲覧者を、ヴァリューズが保有するユーザー属性付き行動ログデータを用いて検証してみました。縦軸に年代、横軸に性別を置いてマッピングしてみると下図のようになります。たとえばミステリー雑誌とのコラボは男性で平均年齢が高め、育成ゲームとのコラボでは、若年女性が中心と、それぞれの企画で狙ったターゲットを的確に集客出来ていることがわかりました。

データからユーザーの行動特徴を明らかにし、ペルソナを描く
最後に、今後のユーザーデータ活用の拡張について考えてみたいと思います。自社が複数ブランドを保有していたり、商品によりターゲット層が異なる場合、それぞれのユーザー像や検討プロセスを理解することは、マーケターにとって非常に重要でありながら、時間も労力もかかる仕事です。各担当者の思い込みや推測だけでディスカッションを始めると組織内の意見がなかなかすり合わず、共通認識としてペルソナを描くことが難しくなってきます。そのような時、実際のユーザーの行動ログは、消費者の代弁者として様々な示唆とエビデンスをもたらしてくれます。
データドリブンなユーザーリサーチは、広告のターゲティング手法に活かすだけでなく、ユーザーの検討行動を可視化するカスタマージャーニーの作成や、クリエイティブ、コンテンツ企画、商品開発等、ネット企業のみならず、メーカーや金融機関など様々な企業のマーケティング部門で活用され始めています。今後、さらに各種データとの統合が進み、よりターゲットユーザーを多面的に捉えることができるようになるでしょう。ユーザーデータ活用の進化は続いています。